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カテゴリ:その他のジャンルの海外小説
みなさんこんばんは。アメリカ大統領選挙で、バイデン大統領の後継候補として指名される見通しとなったハリス副大統領と共和党のトランプ前大統領の支持率が最新の世論調査できっ抗していることがわかりました。今日はフランスの小説を紹介します。
ラブイユーズ La Rabouilleuse 光文社古典新訳文庫 バルザック タイトルロールの『ラブイユーズ』は、人名ではなく「川揉み女」という固有名詞である。えっ、川を揉む?誰ですか怪しい想像した人は。小枝で川の流れを掻き回し、ザリガニを驚かせて、罠を仕掛けている男性のもとに追い込む作業をする女性のことだ。名前はフロール・ブラジエである。そして彼女は全三部中第二部からの登場だ。 彼女が登場する前の第一部は、イスーダンの、ブルジョワ家庭の三代に亘る歴史が語られる。普通、三代目のボンボンが家を潰すと決まっているが、一代目ルージェも酷かった。なんと、生まれた娘アガトを「自分の子ではない」と根拠もないのに疑い、遺産相続から外すのだ。自身は羊毛業で儲けた妻の実家の財産をもらい受けたというのに、ケチな奴!そしてルージェ夫人の弟(デコワンとしか名前を与えられていない。雑な扱いだ。)の遺産分をアガトに相続させよう(だからなんで自分の金じゃなく他人の金を当てにするんだ)と、彼女をパリに送る。 アガトはデコワンの知り合いで清廉潔白なブリドー氏と結婚したのもつかの間、ブリドー氏が突然死。頃はナポレオン帝政期。ナポレオン信奉者だったブリドー氏は皇帝より特別の支援を受ける。ところが長男フィリップは遅れてきたナポレオン信奉者で、士官として仕えたことを鼻にかけ、ナポレオンが倒れた後もろくな職に就こうとしない。一方次男ジョゼフは画家を目指していたが、母親に「ものにならないのに」と諦められている。実は彼は 「われわれが持つ当代フランス最高の画家の一人」 と書かれ、画家として大成するが、もともと長男溺愛の母親は、どれだけ次男が努力しても目を向けない。兄弟と母親の関係は、バルザックの体験が元になっている。次男はともかく、長男に使い道があるのか?と思いきや、ありました!悪でもって悪を征す! ルージェには息子ジャン=ジャックにラブイユーズをあてがう目論見があった。うら若い女性に何てことを!と言いたくなるが、ジャン・ジャックは 「37歳だったが中身は12歳の子供のように臆病」 なので彼女に触れることなど考えられない。見ているだけでらぶ(はあと)と、谷崎潤一郎ばりのうっとりした表情を見せる。ある部分が満たされないラブイユーズは、兵隊崩れのマクサンス・ジレ(通称マックス)を「ああいう屈強なのがいると用心棒っぽくていい」と言って家に連れ込む。知らずに(いや、わかっていてラブイユーズにいて欲しいから黙ったのか?)毒蛇を家に引き込んでしまったジャン=ジャック。しかしマックスの欲望は果てがない。さあ、財産となれば目をキラキラさせてやってきたのが、もう一人の士官崩れフィリップだ。悪が悪を制する作戦、うまくいくのか? 断っておくが、勧善懲悪ではない。強い者&声の大きい者が生き残る。かといって、因果応報めいた展開が皆無ではない。つまり、よりリアルに近いということだ。皆、しかるべき時に人生という舞台から退場する。タイトルロールのラブイユーズは、主役というより脇役で、マックスと組んでいる時は「何たる悪女か!」と憤慨するが、彼と離れてからは悲惨な人生を送る。 どんな人生にも、悲劇と喜劇の両面がある。 『人間喜劇 La Comedie humaine』の第1部風俗研究の2.地方生活情景の「独身者たち」の第3話。 ラブイユーズ (光文社古典新訳文庫) [ バルザック ]楽天ブックス お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
August 28, 2024 12:00:28 AM
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