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映画・海外ドラマ・本 ひとこと言いた~い

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September 17, 2024
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みなさんこんばんは。本当に9月半ばになってもこんなに暑いのは異常です。野菜も高い。今日は女性のサクセス小説を紹介します。

縫いながら、紡ぎながら​
Entre mes mains le banheur se faufile
アニエス・マルタン・リュガン(著)
徳山素子(翻訳)
TAC出版

銀行で働くイリスは、ずっとクチュリエになりたいと思っていた。しかし、服飾学校に合格できなかったために、子どもの頃からの夢を諦めて、医師のピエールと結婚し、趣味で洋服を作り続けていた。子供はいない。イリスが夫と共に実家を訪れる画面から始まる。イリスは夫が「いやにウキウキしている。実家に行くのがそんなにうれしいの?」と不満げ。冒頭から不協和音がギシギシ。

 そして実家を訪れてあっという間に、実はイリスは服飾学校に合格していて、結婚を控えた彼女に、家族がその事実を隠していたことが発覚。父親は逆ギレして、「もう家に来るな!」おま、その口が言う!ピエールは、「合格してようと、どうであろうと、それは二人の問題だったでしょう!」と、その場はかっこよくイリスと一緒に怒ってくれるものの、パリでクチュリエの教育を受けることを決意した彼女に「さあ、これから子作りしよう!」いやあ、こんなにかみ合わない夫婦って(笑)。聞けば、実家の食事会前から、なんとなくかみ合わない日が続いていたとのこと。イリスも、事前に相談しても良かったのに。反対されると思ったのなら、そもそも夫とは性格が合わないのでは。

 反対を押し切って強烈な個性を持つ女主人マルトに気に入られ、魅力的なガブリエルに恋されながら、イリスは能力を発揮していく…は、いいのだが、イリスの能力とやらが、「あなたには才能があるんだから私の服を作りなさい。」という、マルトの想い込みだけなのだ。もちろん苦労をしてファッション業界を歩いてきた人だから、見る目はあるはずだ。しかし、もう少し、他の人からの評価もあってもよかったし、当然彼女を認めない人もいても良い。なのに、マルトが庇護した途端、イリスは敵なし状態。これはちょっと食傷気味。

 また、昔はシンデレラストーリーが結構好まれたものだが、今テレビで創意工夫を競う番組も放送されていると、どちらかというと、ああいうリアリティショーの方が面白いと感じる人も多い。謎の万能感溢れるイリスを、どうも距離を置いてみてしまう。というか、クチュリエになる!と決めて宣言し、動き出した所以降は、彼女は、ほとんど流され人生だ。ピエールに言われたからあっち、マルトに言われたからこっち、ガブリエルに言われたから…もうちょっと自主性を持ってほしかったな、ヒロインなんだから。


縫いながら、紡ぎながら [ アニエス・マルタン・リュガン(著)徳山素子(翻訳) ]​​楽天ブックス






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最終更新日  September 17, 2024 05:33:24 AM
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