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みなさんこんばんは。日本の会社がつくるコーヒーの商品の値段が上がります。ネスレ日本は、ペットボトルに入ったコーヒーの値段を上げます。9月から量を多くして値段を上げる商品や、10月ら13％ぐらい上げる商品があります。今日はミステリー小説を紹介します。

プロヴァンス邸の殺人
Mystery in Province
ハーパーＢＯＯＫＳ
ヴィヴィアン・コンロイ
西山志緒訳

　1930年。スイスで教師をするアタランテのもとに疎遠だった祖父アッシュフォード伯爵の訃報が届く。祖父は莫大な財産を孫娘に遺す代わりに、自分の“探偵業”を継ぐようにと遺言を遺していた。かくして祖父のパリの屋敷に移り住んだアタランテの前に、さっそく依頼人がジルベール・スーモンヌ伯爵との結婚を控えた令嬢ウジェニー・フロンテナックは誰かに脅迫されているらしく、披露宴が催される南仏の伯爵邸へともに向かうことに。だが地所内で一人の男の死体が発見され。

　伯爵家の跡取りだったのに、生前祖父と対立し家を飛び出した意気はいいものの、いろんな事に手を出しては失敗し、その度に借金を作って亡くなった、迷惑ながら愛すべき父の後始末をしたために、アタランテは学校教師として、つましい暮らしをしていた。そんな彼女の楽しみは“どこかに行ったつもりになる”という赤毛のアンみたいな想像ごっこ。彼女に舞い込んだシンデレラのような境遇と、好奇心を満たしてくれる探偵業。

　ただ“祖父がずっと見ていた“とはいえ、一度もやったことのない探偵業を託すに足る人物だとアタランテを見抜いたっていうのは、あくまで祖父個人の主観にすぎず、動機としては弱いような。たとえ祖父の言う素質があったとしても、実際では全然役に立たないこともありうるのに、かなりの無茶ぶりです、おじいさま。まあ、それを言ってしまうと、物語が始まらないのだが（笑）。あと、息子は頼りにならないし、その分仕事は山積みだったはずなのに、よく探偵業に精を出せましたね。職業上、表立って動くことはできなかったと思うが。この後祖父が過去に手掛けた事件がらみの話とか出てきそう。

　ところで、そもそもウジェニーの相談事が、「婚約者の前の奥さんが亡くなっていて、自分も狙われてるかも」というものだが）、ウジェニーの持参金目当てなら、結婚前に婚約者を殺さないはずだ。まあ、ウジェニーにアドバイスするなら、疑いがあるなら、そもそも、そんな怪しい人と結婚するのやめなさい（笑）、と。

　しかしこの時代ー1930年ー、女性がどこでも自由に活動するためには、爵位と財産が必要だったわけですね。アタランテのように。表立ってない探偵業は、金儲け目的というより人助けなので、代金もらえないし。アタランテの前に現れた美形男子との行方も気になる。

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