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映画・海外ドラマ・本 ひとこと言いた~い

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October 27, 2024
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みなさんこんばんは。紙のタウンページもなくなるみたいですね。今日はみなさんが良く知る登場人物が主人公の歴史小説を紹介します。

愚道一休​
木下 昌輝
集英社

 表紙絵はよく知られている一休宗純の肖像画である。しかし、私たちが最もよく知る一休は、アニメの「一休さん」だ。安国寺の和尚に叱られ、同僚の失敗を頓智で切り抜け、ずるい商人にも将軍様にも物おじしない、年下の可愛い小坊主である。ただ一つ気がかりがあるとすれば、めったに逢えない母親のことだ。エンディングの歌はずばり、母親に宛てた手紙の内容になっていた。

 逢えない理由は、母親ではない。一休は、後小松天皇の庶子と言われている。母は楠木家出身で、宮中に上がっている時に一休を身ごもった。後小松天皇は北朝の天皇で、楠木家は後醍醐天皇に忠実だった南朝派である。まだ子供で、いくら利発だといっても、権力闘争の事など知らない一休は、両統の融合を図る駒を期待されるのではなく、何かあった際の旗頭として利用できる存在だ。子供向けのアニメでも一回ほど、皇位への野心を疑われた一休が、嵐の中飛び出していく話があった。

 但しその際においても、母親は常に優しく、一休が政争とは関わりない世界で生きることを望んだ。本編でも、最初のうちは同じだった。「立派なお坊さんになるのですよ。」という母の言葉を頼りに、一休は安国寺で修行する。アニメでもお馴染みの寺である。しかし、母や安国寺のイメージは大分異なる。幼い頃は千菊丸と呼ばれた一休のいた安国寺は、腐敗しきっていた。世が乱れているなら、仏を信じる僧侶は、より揺るがぬ存在として在るべきなのに、僧たちの心も荒んでおり、虐めや性的虐待が後を絶たなかった。そして母は、ある野望を抱いて一休を高僧に育てようとしていた。最も近い家族の裏切りを知り、打ちひしがれながらも、ひたすら四書五経を学び、よい漢詩を作らんとすることを求める一休の前に、将軍寵臣の赤松越後守が現れる。

 皇統すら定まらない世の中で、正邪の判断もおぼつかない。寺にいても、正しい答えは得られないとばかりに、人と交わる方をび、庶民に近い暮らしをした一休。破戒僧と呼ばれた暮らしは、彼なりの反骨であったのか。ちなみに著者もアニメの『一休さん』世代だそうだ。それであの母親の造形か。



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最終更新日  October 27, 2024 12:00:26 AM
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