第二次大戦に赴く兵士が最後に聞いた天使の歌声とは 映画「マダム・フローレンス! 夢見るふたり」
みなさん、MerryXmas!今日から2日間メリル・ストリープ出演映画を紹介します。映画マダム・フローレンス! 夢見るふたりを見ました。マダム・フローレンス! 夢見るふたりFLORENCE FOSTER JENKINS出演メリル・ストリープ ヒュー・グラント レベッカ・ファーガソン ジョシュ・オコナ―監督スティーヴン・フリアーズ ニューヨーク社交界のトップとして華やかな毎日を送る一方、ソプラノ歌手を目指して活動しているフローレンス・フォスター・ジェンキンス。しかし、その歌唱力は音痴というしかないレベルであった。夫シンクレアは、マスコミを買収したり、理解者だけを集めた小規模なリサイタルを開いたりと、病を抱えながらも夢を追う彼女を支えていた。そんな中、フローレンスがカーネギーホールで歌いたいと言い始め……。 ニューヨーク社交界の顔にしてソプラノ歌手でもあった実在の女性、フローレンス・フォスター・ジェンキンスをモデルに映画化。先にフランスで「偉大なるマルグリット」として翻案映画化されている。超音痴なのにカーネギーホールでコンサート。しかも満員の。このからくりの影には巨大な金が動いていた。フローレンスは大金持ちの娘だったのだ。小さい頃から音楽家希望だったフローレンスは大富豪の父親の強硬な反対に遭い駆け落ち婚をするが、映画に描かれたように夫からは酷い病気をうつされて「音楽をやめるなら戻ってきていい」と言われ出戻り。次に結婚する(というか事実婚だったらしい)のがヒュー・グラント演じるシンクレア。妻をこよなく愛するが故に酷評する新聞を全て買い占め、観客たちも厳選。ここまで真綿のようにくるめば、顔は立派なオバサンでもいくつになっても童女のような、舞台で天使の羽根をつけるような無邪気な女性ができあがる。 これぞ夫の愛だろ、愛!と言いたいところだが、ヒュー・グラントが演じるのだからタダのいい夫のはずがない。フローレンスが休むと彼はこっそり別邸に行って別の女性と一夜を過ごす。おや、金目当て?やっぱりね。 あまりにも無邪気な妻に対して金目当てと愛情の間を揺れ動く都合のいい夫のいい加減さを外見ザ・英国紳士のグラントが演じることで、究極のうさんくさいなんちゃって紳士ができあがる。メリル・ストリープはミュージカル『マンマ・ミーア』や『幸せをつかむ歌』で歌える俳優なのに音痴を演じるとは何という巡り合わせ。ヒューグラントは半引退状態だったがメリル・ストリープとの共演なのでオファーを受けたとか。エンドクレジットでは本物のフローレンスの歌声が流れる。いや、本当に音痴だった。それでも第二次大戦の戦地に赴く兵士にとっては心温まるひと時になったのだろう、多分。マダム・フローレンス! 夢見るふたり【Blu-ray】 [ メリル・ストリープ ]楽天ブックス