誰もが囚われ人になる~映画「プリズナーズ」
みなさん、こんばんは。映画プリズナーズを見ました。プリズナーズ Prisoners出演ヒュー・ジャックマン ジェイク・ギレンホール テレンス・ハワード ポール・ダノ ヴィオラ・デイヴィス マリア・ベロ メリッサ・レオ監督ドゥニ・ヴィルヌーヴペンシルベニア州で家族と過ごす感謝祭の日、平穏な田舎町で幼い少女アナとジョイが失踪する。手掛かりは微々たるもので、警察のロキ刑事らの捜査は難航。工務店を営むアナの父ケラ―は、証拠不十分で釈放された容疑者アレックス・ジョーンズと会った時、彼が「僕がいる間は泣かなかった」というのを聞く。アレックスこそ犯人であると確信し、自らがわが子を救出するためにある策を考えつくが……。映画はケラ―が息子と鹿を討ちに行くシーンから始まる。「天にまします我らが父よ、御名を崇めさせ給え…Our Father, who art in Heaven, hallowed be thy name. Thy kingdom come, thy will be done, on earth as it is in heaven. Give us this day our daily bread, and forgive us our trespasses, as we forgive those who trespass against us. Lead us not into temptation, but deliver us from evil. For the kingdom, the power and the glory are yours, now and forever. Amen. 」で始まる有名な文句を唱える彼は、模範的な父親であり、用意周到で完成された大人だ。だがこの彼が、娘の失踪という予想外の事態により、徐々に崩れていく。そして気になる言葉を呟いた彼こそが犯人だという考えに取りつかれていく。刑事ロキは彼とは対照的なキャラクターだ。思いこみに流されず、警察の規定の中での行動を取り、不審な隣人の存在やケラ―の嘘にも敏感に反応する。ケラ―の情に流されそうになると、ロキの捜査があまりにも稚拙に見えてしまうが、揺るがぬギレンホールの冷静な対応が「彼の方が正しいのだ」という理性のラインに戻してくれる。ジョイを誘拐された父親フランクリンとナンシ―もまた、ケラ―の計画に巻き込まれた事が原因で、良き人の境を越えてしまう。「やらせとけばいいのよ」と言うナンシ―も、自分で手を下さないフランクリンも、ケラ―の行為を傍観することで既に彼の考えに囚われている。題名のPrisonersが複数であるのは、実際に囚われた少女達ではなく、この映画に登場する人々が皆囚われ人であるからだ。その檻の中から抜け出るには、自分で笛を吹くしかない。メガホンを取るのは、『渦』『灼熱の魂』のカナダ人監督ドゥニ・ヴィルヌーヴ。当初はブライアン・シンガ―監督でマーク・ウォルバーグ&クリスチャン・ベール共演の予定だった。このコンビは『ファイター』で共演することになり、ウォルバーグは本作品の制作を担当している。また、レオナルド・ディカプリオもこの企画に興味を示していた。ヒュー・ジャックマンはアントワン・フ―クア監督にもこの企画を持ちかけたが駄目になり、今回改めてヒューは主役で戻ってきた。プリズナーズ【Blu-ray】 [ ヒュー・ジャックマン ]楽天ブックス