大国ペルシャを二度も破った ひとつかみの小麦~『 ギリシア人の物語 1 民主政のはじまり 』
みなさん、こんばんは。まだ地震が続いているようですね。ずっとローマの歴史を描いてきた塩野さんが選んだのはギリシアの歴史でした。ギリシア人の物語 1 民主政のはじまり 塩野七生平成生まれの方達は記憶にないだろうが、かつて世界が東西に分かれた時、東西両陣営は揃って一度ずつ、相手方で開かれるオリンピックをボイコットした。四年に一度のピークに自分のコンディションを合わせていた選手たちは少なからず涙し、その映像は繰り返しお茶の間で流された。しかし、遂に国家を動かすことはできなかった。政治の道具に使われるとは何ということだろう。オリンピックはそもそも、本当に平和の祭典だったのに。 ギリシアがオリンピック発祥の地であることは、誰でも知っている。しかしなぜ四年に一度なのかという理由まで知っている人は少ないだろう。ギリシアは多くの島から成る国だが、かつてはもっと多くの都市国家に分かれていた。「小さな国同士が争っていては強国に負けるから団結を」という極めて現実的な考えは彼等の頭には全くなく、常に争っていた。そこで四年に一度休戦して競技を行いましょう、と定めたのがオリンピックだ。招致活動や広告宣伝費、インフラに多額の費用が必要となったビッグプロジェクトに変貌した現代のオリンピックとは昔日の感がある、その意識も規模も。 数ある都市国家の中で登場回数が多いのはスパルタとアテネだ。草創期の政治家が決めた制度を守り続けたスパルタと、次々現れる為政者が改革を行ったアテネは、考え方から何から異なるライバルだった。そんな二国が、嫌でも団結しなければならない機会が訪れた。広大な領土を有するペルシア帝国だ。戦闘は陸と海とで行われ、圧倒的な量で攻めてきたペルシアが「ひとつかみの小麦」と侮っていたギリシアに二度までも敗れるという意外な結果に終わる。そのうちの第一回目の戦闘を扱った映画が『300』であり、マラトンでの戦の勝利を告げるために兵士が走り続けた故事にちなんでマラソン=長距離走が生まれた。勝利に湧いた二国であっても、その勢いで一つにまとまろうという流れにならない所は、議論好きで後に哲学を生むギリシア人らしいとも言える。 ところで、著者に言わせるとギリシアは長距離走が苦手だったようだ。まさか、マラソンの発祥地なのに?いや、競技の話ではない。国としての持続性の話だ。そこへいくと、長距離走のトップランナーは、著者が長年書いてきたローマ帝国だ。急速に発展し急速に衰退したギリシャはローマと何が異なっていたのか。民主制はどのように発展していったのか。全三部作はその答えを解き明かす鍵となろう。ギリシア人の物語(1) 民主政のはじまり [ 塩野七生 ]楽天で購入【期間延長】お試し品【1000円ぽっきり】【送料無料】【担々麺】濃厚汁あり坦々麺2食 タンタン…価格:1,000円(税込、送料込)