戦う理由~セイ・エニシング~映画『ラスト サムライ』
たまたま図書館で『PROMISE』を見てから真田広之さんにはまってます。前からうまい役者さんだな~と思ってたんですけどね。今思えば「ちゃちい」と思うだろう『里見八犬伝』も面白かった~。これは正月に映画館に見に行きました。ラスト・サムライ(Blu-ray Disc)イーベストCD・DVD館映画「ラスト サムライ」この作品情報を楽天エンタメナビで見る『ラスト サムライ』 エドワード・ズウィック / ワーナー・ホーム・ビデオ脚本&製作エドワード・ズウィック音楽ハンス・ジマー出演トム・クルーズ ビリー・コノリーティモシー・スポール 小雪 渡辺謙 真田広之中村七之助 原田真人南北戦争のカスター将軍旗下、インディアンとの戦いを経て、自分が戦った意味は何だったのかと問うネイサン・オールグレン。たとえ英雄と言われても、答えの見つからぬ問いへの救いは酒しかない。そんな彼に、来日の話が持ち上がる。近代的な軍隊を養成する教官の仕事が舞い込んだのだ。ネイサンは、討伐の対象である武士たちの長、勝元に捕われるが。『ダンス・ウイズ・ウルブズ』に似ている。実際では自分の規範に添わないものを武力行使で負かしていく世界の正義・警察を任じるアメリカで、こんな映画が作られているのか。いや、今だからこそか。「なぜ勝元達は戦うのか」という問いに対する答えが、この映画で西洋に伝わるのだろうか?「勝つために」ではない事は確かだ。そこまで楽天主義じゃない。どうせ万人に納得できる理由なんてない。だから、何かを打ち立てて欲しい。この映画で一番大事な所だ。そうでなくては、彼等が馬鹿だ。負けると分かっていて戦いに赴く人は、過去にも大勢いた。けれど共感が寄せられたのは、そうせずにはいられない彼等の動機が書かれていたからだ。この映画では、勝元とその部下達を動かす力であるのに、そこが幾分希薄だ。幕末~明治をよく知る者ならば、勝元ら侍達が、なぜ刀を取られる事にあんなに神経質になるか、髷を斬られる事がいかに屈辱的な事であったか、知っている。『生まれて来た時から武士は武士』それ以外の生き方を知らない。服を脱ぐように生き方は脱げない。頭でわかってても、心がついてゆかない。その辺りの心情を、自分で補って考える。そしても一度映画を見る。すると、何か足りないと思う。あんなに多くの人を動かす力が、理由が、ここにない。イラク戦争(戦争ですらないか)をなぜやらなきゃいけなかったのか。何で自衛隊が安全とはいえない地帯に出ていかなきゃならないのか。満足できる理由も、納得できる説明もないまま、どんどん物事だけが進められていく。現実に敏感になっているからこそ、たとえ虚構といえど、理由が見えない事が、こんなにも気になる。いくつかのレビューに、「これが日本が撮れたら」と書かれていたのは、バックグラウンドを知る日本人ならば、戦う理由がもう少し食い込んで描けたと思ったからだろう。でも、実情は、こんなに金かけて日本を撮るのは、外国だ。日本でこんなスケールの映画を撮ろうとしたら、いくら時代劇復権と言われていようと、まだ客が入らないからって却下される。ああ、惜しいなぁ。いい役者が日本にいるのに。静かなる佇まいで、正に『さぶらう=そばに控える』という感じでクルーズに従う侍役の福本氏。体のキレもいいけど、こんなに台詞の通る人だったんだなぁと改めて思った真田氏。山風の明治ものによく出てくる、明治をうまく立ち回る側の男を演じた原田氏。いかにも自分は正しいんですって顔して、この時代の悪役がうまい。最初、顔知らないから、本当に役者かと思った。山風忍法帖読んでいれば、「あの時代に忍者はない」とか、他にもいろいろ言いたくなるけど、きっとある程度は『見せる』事を考えた上で、あえて踏み切った所もあるんだろうな、と好意的に見た。【中古】 ラスト・サムライ/エドワード・ズウィック(脚本、製作、監督),トム・クルーズ,渡辺謙,真田広之,小雪,ティモシー・スポール,ジョン・ローガン(脚本),ハンス・ジマー(音楽)ブックオフ 楽天市場店