結局のところ、72時間以内の回答どころ100時間経過してもなしのつぶて。となると私の送付した問い合わせ文章そのものがアップルに到着していないか?あるいは捌ききれずに放置しているかの二つに一つ。
世界中からクレームの嵐が押し寄せているとすると、いちいち返事を書いている余裕は無いはずだし、こうなるとこのiPhone世界同時発売、iTunes7.7とMobileMe公開に伴う混乱はかなりの規模で広がっていることは間違いないだろう。蛇足ながらMicrosoftの同種の有料サービスMSNでは24時間以内回答となっているが、問い合わせたことに対する回答は、今まできちんと24時間以内に返事が来ている。
アップル公式によると
●MobileMe:メールサービスの中断に関する大切なお知らせ
アップデート:2008年7月22日 3 p.m. PDT
2008年7月18日、MobileMeのメールサーバーの一部で重大な問題が発生しました。この影響で、現在、約1%のMobileMeメンバーの皆様は、www.me.comでメールの送受信ができないか、Mail(Mac)やMicrosoft Outlook (PC) などのクライアントソフトウェアでメールにアクセスすることができない状況です。
とあるが実際の被害はもっと深刻なのかもしれない。全文を読んだわけではないが、衝撃的な見出しを付けている書き込みも散見される。
●ALL email gone after sync this morning
今朝同期が終了したら全てのメールが無くなった。
●Loss of 100% of my emails
メールが全部無くなった
個人的に.macまたはMobileMeのメールサービスをメインで使用するのは過去の実績から危険だと思うし、あくまでサブアカウントのメールサービスと割り切った方がいいかもしれない。私の場合はMobileMeに届いたメールは全て他の場所に転送しているから対岸の火事で眺めていることが出来るが、メインで使っている人は深刻だろう。
それにしても今回のMobileMeを巡る一連の騒動はちょっとお粗末すぎる。マニアは別にどうでもいい。彼らは自己保身術に長けているので、この程度の出来事では痛くも痒くもない。問題はPC初心者などの一般の方々。前回も書いたが問題の発生すら認識出来ずに右往左往、対処出来ないのは間違いないだろう。
さて7月29日に発売されるMacintoshマニア御用達の専門雑誌のMac PeopleとMacFanは、今回の騒動についてどのように言及するのか見ものになってきた。iPhone日本国内発売、礼賛ばかりの提灯持ち記事を掲載するのか、より一歩踏み込んでやんわりと批判するのか、凄く楽しみ。これだけの大風呂敷を広げて今ひとつ動作しないサービスを展開したアップルに批判の矛先を向けずにスルーだけは勘弁して欲しいものだ。
以下全文引用
●[WSJ] お勧めできないAppleのMobileMe
MobielMeの発想は素晴らしいが、現状ではあまりにも不具合が多い。
2008年07月25日 14時55分 更新
ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)
大企業の従業員は通常、自分の電子メールや連絡先、予定表を複数のPCやスマートフォンで手軽に同期させている。だが、一般的な消費者はそうした手段を持っていない。彼らは長時間を費やして、手作業で予定表と連絡先を同期させたり、メールが転送されるの待つのだ。
だから、Appleが企業システムと同等のメール、予定表、連絡先の同期機能を年間100ドルで万人に提供する新サービスを発表したときには大騒ぎになった。その上Appleは、この「MobileMe」というサービスがWindows PCでもAppleのMacintosh、iPhone、iPod touchと同様に機能すると約束したのだ。同社はさらに、20Gバイトのオンラインストレージ、Webアプリケーションスイート、お気に入りの同期、オンラインフォトギャラリーの提供で発表を締めくくった。
だが、1週間このサービスを真剣に使ってみた結果、残念ながらわたしはこのサービスをお勧めできない。少なくとも今の状態では。発想は素晴らしいが、現状ではMobileMeにはあまりにも不具合が多く、上記の約束を守れていない。
わたしは今月のMobileMeの立ち上げ時の不具合について言っているのではない。立ち上げの際、サーバがトラフィックに対応しきれず、メール機能が停止した。これを書いている現在も、ユーザーの一部では、まだこの不具合が続いている。それはそれでまずかったが、かなり緩和された。Appleはこの件に関して既に謝罪しており、不調なスタートを補おうと顧客に30日間の無料期間を提供している。わたしがここで言及している問題というのはシステム上のものだ。
このサービスのシステムはおおよそ次のようなものだ。まず、MobileMeに加入して新しいMobileMeのメールアカウントを取得する。このアカウントは、自分の現行のメールアカウントの設定を取り込むこともできる。MobileMeのメールは、Microsoft Outlook、Outlook Express、新しいWindows Mailなど、ユーザーが選択したメーラー経由でWindows PCにプッシュされる。Macなら、標準メーラーのApple Mail経由でプッシュされる。そして、iPhoneではiPhone標準搭載のメーラーで即座に表示される。
同様に、いずれかのデバイスで予定表や連絡先に新たな項目を追加したり、削除したり、内容を変更したりすると、その変更は自動的にほかのデバイスに反映される。Windowsでは、MobileMeの予定表はOutlookに反映され、連絡先はWindowsのアドレス帳に反映される。Macでは、予定表はiCalに、連絡先はアドレスブックに反映される。iPhoneでは、標準の連絡先とカレンダーだ。
お気に入りの同期は、MacおよびWindows版のSafariと、WindowsのInternet Explorer 7(IE 7)が対応している。
どんなPCからでも、MobileMeのサイトのWebメールソフトを使ったメールの送受信と、予定表と連絡先の閲覧と編集が可能だ。サイトでの変更はすぐにPCとiPhoneに反映され、逆も同様に反映される。MobileMeのサイトでは、フォトギャラリーを運営したり、オンラインストレージを確認することもできる。
しかし、わたしが2台のMacと2台のDellのPCと2台のiPhoneを使って行ったテストでは、次から次へと問題が起きた。大きな問題の1つは、サイトまたはiPhoneでの変更はすぐにPCに反映されるのに、PCでの変更はせいぜい15分ごとにしか同期されないことだ。Appleはこれを問題だと認め、対処中だとしている。
だが、問題はこれだけではない。MobileMeのサイトが重く、予定表への入力がまったく読み込まれないことがあるのだ。Webページを更新(再読み込み)しないと、デバイスでの変更を確認できないこともある。また、WindowsのMobileMeのコントロールパネルから直接オンラインストレージのページを開こうとすると、2台のDellマシンは両方ともエラーメッセージを表示した。
わたしがMacで作成したMobileMeのカレンダーは、Outlookのメインの予定表には反映されず、別の予定表として保存された。この予定表は設定を変えないと表示できなかった。わたしのMacのアドレスブックはシンプルな配信リストだが、Outlookでは配信リストとして表示されず、別個のアドレス帳になり、そのままでは表示されなかった。Appleはこの問題をOutlookの不具合のせいにしているが、わたしは、同社はこの問題を解決しておくべきだったと思う。
問題はまだまだある。同期した連絡先がiPhone上で氏名しか表示されず、ほかの情報は何も表示されないことが1度あった。iPhoneでは、同期した連絡先の読み込みが大抵遅い。
Apple Mailで、受信メールを「受信」に保存せずに自分で作成したメールボックスに自動的に移動させるルールを設定しておいたところ、対象となるメールがiPhoneとサイトのMobileMeアカウントからそのまま消えてしまった。この問題を解決するには、設定してあるすべてのルールを編集する退屈な作業が必要だ。
お気に入りをまったく同期できないことが2度あった。同期できたときは、お気に入り一覧の順番がごちゃごちゃになっていた。連絡先をiPhoneに同期したとき、一部の相手に設定してある着信音が消えてしまい、設定し直さなければならなかった。
Appleは辛抱強くわたしの問題について1つずつ説明した。時には回避策を示し、時にはその問題はめったに起きないと主張し、ある問題については現在修復中だと言った。
AppleがMobileMeを問題なく動作するようにしてくれれば、素晴らしいサービスになるだろう。だが、今のところはあまりにもお粗末だ。
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