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カテゴリ:■業界裏話~必読■
このブログでは様々なサイン・看板の話題を掲載しているが、いままで唯一触れてこなかったのが地図。別にわざと敬遠していたわけでもないが、過去の写真集を見ていたら偶然発見したので記憶を頼りに当時の想い出を綴ることにした。 JR浜松町は東京モノレールの始発駅ということもあり、平日休日を問わず大勢の人で賑わっているが、そのJR浜松町の中央改札を出た真正面の壁にあるデカデカとした地図が当社で製作したものだ。描いたのはOさん。すでに退職して今は別な職業に就いているが、単身上京した彼が当社の募集広告を見て飛び込んできたのだ。『Illustrator(イラストレータ)は大丈夫?』と聞いた私に対して『まあボチボチ、そんなに速くないですけれどね』と淡々とした口調で答えたのが印象的で昨日のように記憶に残っている。 で、実際に作業に入ったらイラストレータ操作の速いこと、速いこと、それは凄かった。ちなみに私はマウス否定派、キーボード唯一神を唱える人間で、マウス使用は時間の浪費以外の何物でもないと考えるタイプ。その私が驚いたぐらいだから、ハンパではなかった。両手を駆使してIllustrator(イラストレータ)を操作する様子はちょっと圧巻。 左手はキーボード置きっぱし、たまに離れることがあるが無駄な動きは一つもない。まさに速さを追求した神業に近い動作で見ていて惚れ惚れとするぐらいだった。Macintosh OSとIllustrator(イラストレータ)の全てのショートカットキーは脳裏に焼き付いて、場面場面に応じた適切なショートカットキーをいとも簡単に引き出すことが出来る、そんな人間だったのだ。 私のMacintoshに関する情報量や知識量も相当なものがあるが、それより遥かに凄まじかったのがOさん。まさしくMacintosh信者、Macintoshマニアという言葉がピッタリで、後にも先にも彼以上の人物は見たことがないぐらいだ。その彼が夜遅くまで頑張って描いたのがこのJR浜松町界隈の地図。 『港区(浜松町)の地図を買ってきていいですか?』『仕事だからね、どれでも好きなヤツを買って来なよ』それを下絵に一つ一つの道路、建物、施設などをイラストレータで丹念に描いていく、まさに根気と体力勝負、それにセンスが問われる仕事だ。単に写していくだけだったらマネになってしまうから、そこに自分で影絵を付けるなどいろいろと試行錯誤を重ねながらそれらしく造り上げていく。『今まで地図の仕事、やったことあるの?』『いやあ、やったことなんてないから、もちろん見よう見まねですね』 JR浜松町の構内サイン、写真を見れば誰でも『ああ、あれか?』と思い出すことだろう。OさんもJR浜松町駅で下車するたびに感慨を抱くに違いない。今改めて写真を見直しても初めて描いた地図とは思えないぐらい完成度が高い。それほどの素晴らしい出来だったのだが、後日この出来の良さが発端となり、別なところからクレームが入ってくるとは当時は夢にも思わなかった。(以下続く) この周辺の写真がご覧になりたい方は地図をクリック 関連記事 ●2006年10月21日 完全キーボード操作-その6-★お気に入りソフト★ ●2006年10月15日 完全キーボード操作-その5-補足★悪夢だあ★ ●2006年10月08日 完全キーボード操作-その4 ●2006年09月30日 完全キーボード操作-その3 ●2006年09月22日 完全キーボード操作-その2 ●2006年09月20日 完全キーボード操作-その1
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Last updated
2008年08月01日 16時40分17秒
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