2008年01月08日(火曜日) 読売新聞 朝刊 20頁より引用
2008年08月11日(月曜日) 読売新聞 朝刊 16頁より引用
2008年08月11日(月曜日) 日本経済新聞 朝刊 28頁より引用
事実を正確に記するために2008年01月08日と2008年08月11日の読売新聞に掲載された反町監督の発言を並べてみた。五輪の四強入りは可能だと強気の発言をしていたので微かに期待はしていたものの、結果は三戦全敗のお粗末の一言。負けたこと事態にはそれほど驚かないが、問題は読売新聞、日本経済新聞ともに赤線を引いた箇所。
『これほど悔いの残らない試合はない』との発言だ。心情的には理解出来るものの、少なくともJリーグに所属するプロ選手を率いる監督の公式発言としては絶対に言ってはならぬもの。なぜなら『悔いの残らない試合をするのは』プロとして当たり前のことであって、そんなことはいちいち言及すべきではないのだ。最初読んだ時には夏の高校野球の敗戦監督の弁と勘違いしたぐらいだ。
アマチュアスポーツではないのだから、負けた以上は少なくとも悔いが残るはず、だから敗戦を分析して次世代に託さなければならない。それが反町監督に課された最後の責務のはずだ。先日紹介したローターマテウスが、チャンピオンズリーグ決勝戦で敗退した時に取った行動と比較してみて欲しい。いかに反町監督の弁が情けなく志が低いか分かると思う。
事実だけを列挙する。
・ことサッカーに関しては欧州諸国が笛を吹かない限り、誰も踊り始めない。
・欧州諸国の五輪サッカーに関する関心は極度に低く、大会の価値を認めていない。
・だからブラジルやアルゼンチンが力を入れたとしても、あまり意味がない。
・なのに日本は五輪に対する入れ込みが強すぎて、奇異な印象を受ける。
・そのような状況下ですら日本は三戦全敗だった。
2008年06月08日に掲載した『オリンピックのサッカー』では、勝ったところで価値はない、でも意味はあると書いた。が、その価値のない戦いですら三戦全敗だったことをマスコミはもう少し追求すべきではないかと思う。
日本経済新聞の記事のような誰でも書けるようなありきたりの解説文では、この五輪サッカーを取り巻く状況を理解したことにはならない。監督の敗戦の弁も情けなかったが、本来ならばそれを糾弾すべきマスコミの五輪サッカーの背景と歴史に対する認識不足もちょっと酷すぎる。
その点、読売新聞の李国秀氏の解説文の方がまだ方向性を示しているだけに多少なりとも救われるが、これだけの時間と経費をかけたにも関わらず三戦全敗。個人的には五輪サッカーなどに精力を費やすよりも、コパ・アメリカに参戦した方がよっぽど日本サッカーのためになると思っている。
コパ・アメリカといっても多くの方は馴染みが薄いと思われるが、早い話、南米選手権のこと。実はかつて一度だけ日本はこの南米選手権に参加したことがあるのだ。(以下次回に続く)
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