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2008年08月23日
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多くの日本人がなぜ負けたのか正確な分析が出来ないと思う。

あれだけ金メダル、金メダルと大風呂敷を広げてフタを開けてみたら結果は惨敗。ほぼ予想通りの展開に(2008年08月09日"オリンピックを前に思うもの"の後半文章を参照)ちょっと情けない気がするが、以下にその敗因を書いてみたい。ちなみに野球の試合は一試合も見ていないが、見なくても敗因分析は出来るのだ。

なぜ試合を見なくても敗因が分かるのか?それは普段から欧州南米サッカー、各国プロリーグ、チャンピオンズリーグなど米国大リーグや日本のプロ野球など比較対象にすらならない壮大な規模のイベントを見続けているからだ。チャンピオンズリーグ、欧州選手権、ワールドカップを見ていれば規模が小さく歴史の浅い五輪野球は類推適用できるというもの。私と同様に欧州南米サッカーが大好きな人だったら、みんな分かることだ。

欧州南米サッカーの監督や選手の言動と比較すると、日本のプロ野球の監督や選手の言動は稚拙に感じることがままあり、先日紹介したローター・マテウスのようなプロ意識を持っている人は少ない。だから個人的には日本のプロ野球というのはあくまでも国内限定、日本国内だけで通用するプロだと思っている。

さて敗因の第一に挙げられるのは場数の少なさ、これに尽きると言っていいだろう。場数というのは海外での修羅場をくぐり抜けた試合のことを指す。従って常時、日本国内だけの試合しかしたことのない、毎年定期的に開催される海外試合がまるでないということは環境的にはぬるま湯だろう。

アルゼンチンのリオネル・メッシの所属チームはスペイン・バルセロナだが、南米アルゼンチンの出身ながらスペインチームに所属し9月からリーグ戦が始まると、スペイン、英国、フランス、ドイツ、イタリアなどでの海外試合を余儀なくされる。それに今年はワールドカップ南米予選が開始するはずだから、欧州と南米の往復がかなりあるはず。

まだ21歳になったばかりの青年がこれだけのハードワークを淡々とこなしていく。彼が一年間に移動する距離を日本のプロ野球選手のそれと比較してみて欲しい。考えただけでも桁が一つぐらい異なるのは容易に想像できるだろう。サッカー選手はみんなこんな環境の中で自分を磨いていくのだ。環境が変われば一番問われるのは適応能力だが、悲しいかな、日本国内移動だけでは環境適応能力を磨くことが出来ない。ここに日本"国内限定"のプロ野球の弱点があると言っていいと思う。

同様のことは韓国にも言えたはずだが、なぜ韓国に連敗してしまったのか?前述の海外での修羅場をくぐり抜けた経験の少なさに加えて、ここで問われるのは闘争心。サッカー最高レベルの大会であるチャンピオンズリーグを見ている方なら理解できると思うが、実力がほぼ同じチーム同士の時にその勝敗を決するのは『より生き残りたいという闘争心』を持っている方だ。『より勝ちたいかという闘争心』ではなく『より生き残りたいという闘争心』を持っている方が勝つのだ。

その意味で読売新聞、日本経済新聞の記事を読む限りでは、萎縮してしまって闘争心のかけらも出せなかったのではないか?片方は徴兵制免除がかかっている、もう片方は負けてもそれほどの糾弾を浴びることは少ない。現に本日読売新聞朝刊の解説文、ちょっと書いた人の名前は忘れたが、それほどの批判をせずにもう一試合あるから頑張ろうみたいなことを書いていた。

野球のレベルが低いからマスコミのレベルが低いのか?マスコミのレベルが低いから野球が弱いのか?あるいは相乗効果なのかは分からないが、誰にでも書けるような文章は記事として稚拙。もう少し勉強した方がいいだろう。

勝負事で必要なのは、海外での修羅場をくぐり抜けた数、より生き残りたいという闘争本能、そして少しばかりの運、この三つがうまく組み合わさらないと勝てないのだ。強いチームが必ずしも勝つとは限らない、勝ったチームが強いのだとはよく言われる言葉だが、今回のケースはまさにその通り。

ヤフーニュースによると
●「申し訳ないです」痛恨の黒星、星野監督険しい表情

8月22日15時13分配信 産経新聞

--惜しくも敗れたが
「いいリズムで、きていたんだけどね。この中で両方のピッチャーが良かったから、そう簡単に点を取れるとは思っていなかった」

--八回の本塁打が響いたか
「終盤はしのぎ合いだったけど、つまらない点を予選(1次リーグ)からやっていたから。あそこが2点止まりだったら…。申し訳ないです」

--八回の本塁打で選手の気持ちが切れてしまったか
「いや、切れたりはしていない。野球は最後まで分からないですから。切れたりはしません」

--明日(23日)は3位決定戦だが
「何とかメダルを持って帰るとしか、今は言えない」

最後の「何とかメダルを持って帰るとしか、今は言えない」の発言を先日紹介したローター・マテウスと比較してみて欲しい。この一言で星野監督は"日本国内限定の監督"であることがよく理解できる。個人的にはローター・マテウスの爪の垢を煎じて飲むことをお勧めしたい。

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Last updated  2008年08月23日 18時15分27秒
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