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テーマ:サッカーあれこれ(20136)
カテゴリ:┣ ★サッカーについて★
2010年サッカーワールドカップの南米予選が開催されている。
天動説ではないが、ことサッカーに関しては欧州中心に世の中が回る"欧動説"となっているため、南米予選にあまり重きを置く日本の人達は少ないかもしれない。が、実はこの南米予選、知名度は低いものの見るべき点は結構多いのだ。私なんかはこの南米予選をかなり楽しみにしていたのだが、近年は放送してくれるテレビ局がまるでないのが現状でとても残念だ。 ちょっと前まではNHKの衛星放送で結構放送してくれていたのだが、近年は殆ど放送無し。有料放送のスカイパーフェクトTV,WOWOWでさえも放送していないところをみると、放映権の問題とか何やら複雑な問題がありそうな気配が濃厚だが、少なくともブラジル対アルゼンチンぐらいは放送して欲しいものだと常々思っている。 ではなんで面白いかというと、やる気のまるで感じられない試合もあるが、闘争心むき出しの意地とプライドを賭けた、まるでノーガードで打ち合うボクシングみたいなところがあって人間本来の闘争心が随所に感じられるからなのだ。ここでは日本の高校野球の選手宣誓のようなキレイごとは論外、御法度の無法地帯といったら言い過ぎか? スポーツマンシップに乗っ取って正々堂々と戦います、なんて笑止千万の世界なのだ。分からなければそれで良し、だまされたらだまされた方が悪い、審判に分からなければいいんじゃないの?必要最低限のルールは守るけれども、それ以上は各人が判断してお構いなし、そんな世界だ。まるで星野監督が見たら異次元の別世界に突入したような感じで目が白黒、卒倒して倒れてしまうかもしれない。でも現実にはそういう世界があるのもこれまた真実なのだ。 いまでも目に焼き付いて忘れられない光景がある。対戦相手は忘れたが、記憶の片隅ではチリだったか?ブラジル・ロマーリオがゴール前に出された縦パスに敏感に反応し、キーパーと一対一になった。形勢は攻める側のロマーリオが圧倒的に有利というか、これで外したらどれだけ叩かれるか分からない、そんな状況だ。だからキーパーからすれば絶体絶命の大ピンチ、まず1点はほぼ間違いなく取られてしまう。 ロマーリオは確実に決めるためにキーパーをかわして得点しようとしたのだろう、大きく進行方向の右側に体を振り向けようとした、その瞬間だ。その動きを読んでいたかのようにキーパーは左側に体を振り向け、ロマーリオののど仏に向かって左腕をブン回してぶっ倒そうとしたのだ。 見ていた私はサッカーの試合で初めて、冗談抜きで故意の殺人を連想した。もうボールを奪い返すことは不可能だ、だからボールなんかを追うのではなくて、よりヒットする確率の高い、当たれば一発で倒れる人間の頭を狙う、私にはそう見えた。もしブン回した左腕がロマーリオののど仏に決まっていたら首の骨は確実に折れる、そう思ったのだ。 が、千両役者のロマーリオだけにさすがに一枚上手、そのキーパーの動きを読み切ったかのようにブン回した左腕の半径外まで本能的に体を移動し、咄嗟の判断で難を逃れ涼しい顔をして得点。何事もなかったように見せつけたのだった。もし決まっていれば死んでいたかもしれない。怒髪、天を衝くとばかりにキーパーに掴みかかっていってもいい状況だが、彼はそうしなかった。もう何度もそんな修羅場をくぐり抜けてきたのだろう、その程度のことでは動じない器の凄さを見せつけられた気がした。 もう日本のサッカーとか野球とはまるで次元の異なる別世界なのだ。やられたらやり返す、やられたらやられた方が悪い、だからやられないように自分の身は自分で守る、そんな世界を彼らは生き抜いてきている。ぬるま湯に浸ったJリーグやプロ野球からはまるで想像つかないだろう。どんなことをしてでも自分のボールにし、絶対に相手には取られない。取られたらどんなことをしてでも取り返す。ここにはサッカーの原点があると言ってもいいと思う。 ●ワールドカップ南米地区予選はこちらから。 関連記事 ●2008年08月16日 ★ちょっと情けないと思うオリンピックサッカー★ ●2008年08月09日 ★オリンピックを前に思うもの★
nikoniko21さんへの返事はここに書きます。 お褒めの言葉に感謝します(笑) キーパーの取った行動がいい悪いは別としても、彼らと日本代表は戦うわけだから それなりの気構えがないと勝てないですね。 だからワールドカップで勝ち抜くのは本当に大変です。オリンピックに参加している余裕があるんだったら、南米に行って試合をしてほしいです。
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