MacFan 2008年12月号 45ページによると、オブソリート製品一覧にPower Mac G4のミラードドライブドアシリーズが追加されたらしい。オブソリート製品と言われても分かる人はまず居ないだろう。
個人的には一般的に流布していない、聞き慣れぬ英単語をそのままカタカナに置き換える手法はあまり好きではない。適切な日本語がありながら英語をそのままカタカナ表記するというのは、広く理解してもらおうという気持ちが欠落しているからだ。特にPC業界および関連雑誌、書籍はその傾向が強いので注意して欲しいと常々思っている。
さてそのオブソリート製品だが、製造中止から7年以上が経過しサポートも終了した製品をそのように呼ぶらしい。このリストに入っている製品は、アップルの修理対応、アップルと契約して修理などのサポート業務を行うアップル正規サービスショップに対する補修用パーツの供給もストップしてしまう。
事実上Macintosh OS 9が起動するMacintoshマシンは、今後すべての保証が一切無くなってしまったのだ。7年も経過すれば致し方ないが、このミラードドライブドア、Macintosh OS 9が稼働する最後のマシンとして実に感慨深いものがあるのだ。
Wikipedia(ウィキペディア)によると、Mac OS X v10.0(Cheetah)の登場は2001年3月24日。今から7年前だから、逆に言えば7年前にMacintosh OS 9は開発を停止したことになる。最近Macontoshを使い始めた人やWindowsユーザの方の中には、Macintosh OS 9のことを知らない人が殆どだろう。Macintosh OS 7,8,9と10年近くこのOSと親しんできたが、ユーザインターフェイスの面で現在のOSの基礎を築いたOSと呼んで差し支えないと思う。
Windowsユーザの多くは知らないだろうが、Windows95からVistaまで続くWindows作法の基本的な部分はこのMacintosh OS9のパクリ。Windows3.1からWindows95へのユーザインターフェイスの劇的な変化を見ていると、確かにアップルが模倣したというのもよく分かる。
その後はこのユーザインターフェイスを巡って、アップルとマイクロソフトの間で訴訟にまで発展したほどだったが、近年の動きを見ているとWindowsとMacintoshはお互いの良き部分を取り入れて両者切磋琢磨しながらOSを発展させてきているのだ。
個人的な考えでは画面の美しさでややMacintoshの方が好みだが、MS-DOS,Windows3.1から連綿と続くWindows作法のいいところは、ブラウザ以外あらゆる局面でキーボード操作が可能なこと。この辺りはMS-DOSの遺伝子をそのまま引き継いでいると思う。
それに対しMacintoshはマウス主体のOSであったために、ある局面ではキーボード操作が出来ないことがままある。その点がちょっと気に入らないところだが、XP,Vista,OS X、どれも完成度は非常に高く、システム的な安定度もだいぶ増してきた。
思えばMacintosh OS 9が築いたマウスを主体としたグラフィカルで分かりやすいユーザインターフェイスも最終局面に突入してきたのだろう。果たしてこれからのOSはどんな風になっていくのだろう、とそんなことを考えているときに飛び込んできたのがグーグルのWeb(ウェブ)OS。
ブラウザさえあればすべてネット上で完結してしまうWeb OS。ここまでくればOSがWindowsだろうとMacintoshだろうと関係なし。なにしろブラウザの中でメール送受信、動画閲覧、ニュースの流し読み、カレンダー作成と個人情報のほぼすべてが管理出来てしまうのだ。
不安要素はいくつもある。ネットに接続出来ないときはどうするのか?個人情報は秘匿されるのか?が、過去グーグルの動きを見ていると、マイナス要素は確実に一歩一歩つぶしながら従来より一層素晴らしいサービスを展開させてきている。
すでに自社製ブラウザ Google Chrome(クローム)が登場し、これから何やら始まりそうな予感。このGoogle Chrome(クローム)、各種の雑誌での評価はとても高く、動作速度もかなり速いようだ。Googleのことだから、少しずつこのChrome(クローム)を改良させていくことだろう。
今から10年後はどのようになっているのか予測することはとても難しいが、Windows,Macintosh,LinuxなどのOSの垣根が取り払われ、ユーザがその存在そのものを気にしなくなるレベルまで改良されてくれればいいかな?と思ってる。PCはソフトを使いこなして趣味・業務に活かすことが第一目的であって、OSはあくまで裏方の黒子役が望ましい。
現状はあまりにも前面に出すぎて、トラブル発生時にはOSの仕組みを知らないと対処出来ないことが多すぎる。ハードディスク初期化、OS再インストール、ソフトインストール、個人環境再構築まで2時間以内で、出来れば自動的にやってくれるOSが発売されてくれれば非常にありがたいのだが・・・
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