2008年10月29日(水曜日) 日本経済新聞 朝刊21頁より引用
先日書いた日記で五輪野球の問題については終わりにするつもりだったが、日経新聞にちょっと気になる記事が掲載されていた。五輪野球惨敗の原因を審判軽視の姿勢に求めるという記事だ。
赤線の部分は私が従来から書いていることと同じだが、星野監督が海外の野球を知らなかったのは致し方ないとしても、問題はなぜ知らなかったのか?という点にある。海外での監督経験がないからと言ってしまえばそれまでだが、日本に居ながらにして情報を収集する方法はいくらでもある。
サッカーの日本代表やプロ野球にはだいぶ辛辣な文章ばかり書いてきたが、その内容は海外のサッカーが好きな人間ならば誰でも知っていること。特に目新しい意見ではない。が、私と同じような意見を持っている人はごくごく少数派。多くの人は星野監督と同じような目線でしか野球を知らないはずだ。
マスコミ、観衆、そして選手と監督。この三者は相関関係になっており、どれかが突出していることはあまりない。つまり選手と監督のレベルが低いということは総じて見ている観衆のレベルも低いし、報道するマスコミのレベルも低いことになるのだ。
だから逆に観衆の目が肥えていると当然のことながら選手のレベルも高くなる。生半可なプレーや試合内容では納得しなくなるからだ。この間のワールドカップでイタリアが優勝したが、選手や監督の力量だけで優勝できるものではない。見方によっては常日頃からマスコミに鍛えられている成果の賜物と見ることも出来るわけだ。
先日の米国のワールドシリーズでは田口壮選手にかなりの注目が集まっていたようだが、正直なところ焦点が違うだろうと感じたものだ。失礼ながらそれほどの脚光を浴びるような実力の持ち主とはとても思えず、レギュラーでもない。そのまま日本に居たらスポーツ面トップを飾る回数はかなり少ないと思われるレベルの選手だ。
それが米国に行った途端、挑戦者としての構図が国民の関心を引き起こすのかどうかは分からないが、実力以上にもてはやされる。田口選手のことを紹介するスペースがあるのだったら、そのチームの歴史、監督、チーム戦術、有名選手を説明して欲しいと思っているが、そのような記事構成をする新聞はあまり多くない。
チームが勝つよりも岩村選手や田口選手が活躍することが第一。大リーグでプレイする日本人選手は試合結果そのものよりも日本人選手の個人成績に焦点が当たる。なんとも視野の狭い人達だと思う。私が海外サッカーを見始めたのは世界最高のプレイを見たいから、ただそれだけ。国籍はまるで関係ない。国籍という色眼鏡を外して、実力一本で大リーグを紹介するようにして欲しい、常々そう思っている。
なお最後の文章、『審判に充分な敬意を払う必要がある』のは分かるが、欧州・南米サッカーを見ていると品行方正の優等生選手では必ずしも良くない時が結構あるのだが、それはまた別の機会に。
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