微かに残る記憶を頼りに書いているので細かい部分では異なるかもしれないが、概略は多分はずしていないと思う。
ホンダ創業者である本田宗一郎さんが存命中の出来事だ。氏の偉業を称えてホンダ社内で銅像を設置しようとの提案がなされた。役員会でその提案を持ってきた人を本田宗一郎さんは怒鳴りつけたという。普通自分の銅像を設置しようと言われて怒る人は居ない。怒鳴りつけられた本人は、なぜ怒られたのかが分からない。良かれと思ってしたことなのに・・・・・
本田宗一郎さんはこう言ったそうだ。『オマエ、いったいどこを向いて仕事をするんだ?』『死んだ人間の銅像を見上げて仕事になるのか?』『そんな暇があるんだったら顧客の方をもっと向いて真摯に顧客の意見を聞け』『だからオレの銅像なんて造るもんじゃない』
卓越した識見だと思うが、この世の中、本田宗一郎さんみたいな人はごくわずか。その多くが銅像を設置を持ち出された途端に喜ぶ人達ばかりで最近はちょっと斜めに構えて見てしまう。
が、本日掲載したこの六芸神だけは別だ。いずれの方々の芸道は見たことがないが、徹頭徹尾、顧客を楽しませることに尽くした方々なのだろう。当初から銅像の設置計画があったのかまでは知らないが、感動と興奮をもらった民衆の総意と気持ちが如実に込められての六芸神設置となったのかもしれない。作り手の気持ちが乗り移ったかのような作品だ。
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