2010年01月26日に掲載した『新宿ユニカビルのLEDビジョン』
4月中旬にヤマダ電機が開店するのは知っていたので、果たしてどんな壁面サインが設置されるのだろうと興味津々で出かけて行ったが、到着してみるとちょうど最後の一面が完成しようとしているところだった。テナント工事はすでにゼネコンの手から離れているのだろう、業界用語で丸太足場と呼ばれるものが設置されているのを見ると妙に親近感が湧いてしまうが、これはその中でもあまり見る機会が少ない吊り足場と呼ばれるものだ。施工前と施工中の写真を並べてみたので比較していただきたいが、壁面または下部からの支えを取るのが難しいために上部から吊り出す形で足場を組む必要があるが、これ我々はを吊り丸太と呼んでいる。
もともと屋上への荷揚げや荷降ろしは付近の交通渋滞を防ぐために日中に行われることはまずない。その多くが夜間作業となるために一般の方々はその足場設置の様子を見る機会は稀だと思われるが、これはまさに職人芸なのだ。鳶(とび)職人と呼ばれる人たちが丸太一本肩に担ぎあげて番線と呼ばれる針金で固定していくのだが、その足遣い、腕さばき、道具の使い方を見ているだけで年季が分かるというものだ。工事管理監督者ならばちょっと目をつぶっていたくなるような曲芸も随所に飛び出すために、見ているこっちがドキドキハラハラしてしまうが、肝心の本人たちは真剣そのもの。事故は気の緩んだときにその多くが発生するが、緊張感に包まれた作業に従事しているが故に事故は起きにくいという逆説的な説得力がまことしやかに囁かれる。
それにしてもこのビル全体の広告には奇妙な違和感を覚える。新宿という場所柄を考えれば壁面全体を広告に仕立て上げる手法もあるはずだが、それが取られなかったのは何故だろう。以前に掲載した同業他社のヨドバシアキバの外観写真と比較するとより顕著に感じるが、なにより肝心の懸垂幕が左右両端に控えめに設置されているのが気になる。ひょっとしたら新宿界隈も景観条例対象区域内になったので、壁面広告に対する規制が行われたのかと邪推してしまうが、見方を変えればこれはこれで家電量販店ならぬ質素な仕上がりで好感がもてる。
●2009年01月13日 ヨドバシアキバ-その3
●2007年03月29日 ヨドバシアキバ-その2"大型ビジョン"
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