緊迫した試合運びの中でも、ほんの一瞬の隙を突いてゴールを決める事が出来る選手がサッカー強国には必ず居る。アルゼンチンのメッシやブラジルのカカ、イングランドで言えばルーニーがそれに該当するが、ここ日本では知名度が低いものの、カメルーンのエトーやコートジボワールのドログバも彼らに勝るとも劣らずといった90分間全く気を抜く事が出来ないフォワードだ。
特に先日日本が対戦したコートジボワールのドログバは、その圧倒的な身体能力の高さを武器にバックの一人や二人をなぎ倒して得点するシーンを何度見せつけられただろう。どんなに形勢不利な状況ながらもほんの僅かな隙を突いて試合を決定づけるシュートを放つ事が出来る数少ない選手なのだ。
さてそのコートジボワールだが、所属するグループGは強国揃いでいわゆる死のグループと呼ばれている。ブラジル、ポルトガル、北朝鮮が対戦相手となるためにドログバが負傷欠場をするとグループGの興趣がそがれるどころか、優勝争いに微妙な影響を与えることになってしまうのだ。何故ならドログバが居ないとコートジボワールの攻撃力そのものが格段に落ちてしまうからだ。
先日の日本対コートジボワール戦ではそのドログバを闘莉王が骨折させてしまい、ドログバ選手の安否が気遣われている。わざとやったのかどうかは人によって見方は異なるが、あのプレイをすればこうなる可能性のある事はサッカー選手ならば誰でも分かっているはずだ。しかも本番調整前の親善試合でやるべきプレイでもないのは確かだが、もし仮に勢い余ってのプレイだとしても後味の悪い所行ではある。不謹慎かもしれないが日本の選手の誰が欠場してもワールドカップの優勝争いどころか、グループリーグ突破にも影響はまるでないが、ドログバの負傷欠場はグループリーグ突破に甚大な影響を与え、トトカルチョや優勝争いにも影響してくるのだ。
●闘莉王2試合連続OG ドログバ負傷「わざとじゃない」
●ドログバ骨折シーン!?
それにしてもイングランド、コートジボワール戦で3得点(得点1,オウンゴール2)とは功罪の多い選手だ。Jリーグは見た事がないし、日本代表チームの試合を見るのはワールドカップの4年に一度だけなので闘莉王の国内での評価は殆ど知らないが、後先を顧みない思慮を欠いたプレイと見ることも出来れば、不甲斐ない日本代表チームの中で一人孤軍奮闘する猪突猛進のプレイヤーと見る事も出来る。が、個人的にはこの二試合を見た限り、気迫と闘志だけは評価したいと思う。2010年05月10日に掲載した『南アフリカワールドカップ決勝戦会場・FNBスタジアム』ではこう書いた。
『そんな土地柄にサッカーという戦争をしにいくわけだから、こちらも外れた人間を用意しなくては勝てないだろう。朝青龍程度の素行問題で大騒ぎしている日本人にとってはなにをいわんやと言ったところかもしれないが、世界で勝つということはそういうことなのだ。現在の日本代表程度で百点満点の優等生が11人揃ったとしてもワールドカップで勝つことは無理。三戦全敗を喰らわないためにも、肉を切らせて骨を断つ駆け引きに長けた規格外の、外れた人間を一人連れて行ってほしいと思う』
日本代表チームで一番得点の可能性が高いと言われている本田圭佑のプレイは初めて見たが、正直でかい口を叩くわりにはプレイそのものは落第点で見るべき点は何もなかった。大言壮語でも別に構わないが、もう少しこれはという気迫のこもったプレイを見せて欲しいものだ。闘莉王は功罪相半ばの選手かもしれないが、私が見たイングランド、コートジボワール戦では存在感が日本選手の中でGK川島と並んで一番際立っていた。
サッカー強国は全てがエベレスト登頂を目指して準備してくる。が、日本代表チームは富士山登頂で充分なのだ。富士山登頂に必要な試合はわずか三試合。しかも初戦で全てが決まる。闘莉王とGK川島のような意気込み、気迫を全員が見せて欲しいものだと常々思う。
なお本日掲載する写真はオランダチームの話題を見つけようとネット巡回していたら偶然発見したホテルの写真だ。見ているだけで泊まりたくなる楽しそうなホテルだが、詳細はギズモード『もしオランダに行ったらここに泊まることにします!』から。
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