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2010年10月03日
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発売されたばかりのスポーツグラフィック雑誌ナンバー763号10月14日号72頁『反逆のFW、大いに吠える』として掲載されたズラタン・イビラヒモビッチの記事が面白い。前半はスペイン・バルセロナからイタリア・ACミランに移籍したときの裏話だが、後半に入ってくると一気に吠えまくり、まさに言いたい放題の独演会となっている。以下その一部を抜粋する。

●スポーツグラフィック雑誌ナンバー763号10月14日号72頁より

(問)バルサ側が(ACミランへの移籍を)喜べずにいた理由とは?

理由は2つ。ひとつは、イブラ擁するバルサは勝つことができたんだが、イブラなきバルサが果たして勝てるかどうか。ふたつ目は、まあこれは彼らに聞いてほしいんだが、この俺の獲得に幾らを費やし、だがその1年後、俺を出すことで得た額は一体どれだけなのか。その差は決して少なくはなかったはずだぜ。

(注釈)文中の記事によるとバルセロナがイブラヒモビッチ獲得に費やした費用は約7300万ユーロ(5000万ユーロ+サミュエル・エトー)で、ACミランから得た金額は2400万ユーロ。単純計算でも55億円強の損失が発生している。

とにかく、確かなのは、この俺は、超の付くビッグクラブでのみプレーすべきFWだってことだよ。デカイ大会を、世界で最も重要なタイトルを狙うクラブでこそ真価を発揮するのがこの俺だからな。そこらへんのクラブに俺が行くことはないってことさ。

(問)インテル時代とは明らかに違っていたのは事実だ。

そりゃそうだよ。インテルではこの俺が全部を、つまりゲームを作り、アシストを送り、そんでもってゴールを決める役まで一人でやってたんだからな。ところがバルサには巧い連中が揃っていたから、適度に仕事を分担することができたわけだ。

●ミランのイブラヒモビッチ「僕の前に立ちはだかるものは皆、敗者となる」
「僕はやるからには何事でも勝利を目指す。インテルでは(チャンピオンズリーグを除き)すべての大会で優勝を経験した。ミランでもすべてのタイトルを取ってみせるよ。僕の前に立ちはだかる者たちは皆、敗者となることだろう」

ズラタン・イブラヒモビッチの経歴に付いてはWikipediaに詳しいが、スウェーデンきっての悪童はインテル→バルセロナ→ACミラン移籍でも止まることを知らず、行く先々で問題発言連発で読んでいるだけでも面白い。ネタ提供と捉えるべきなのか、純粋に本心なのか初めて読んだ人には分かりにくいだろうが、個人的には全部本心だと思っている。インテル時代の同僚が聞いたら怒り出しそうな発言を平気でしゃべるところがイブラヒモビッチらしいが、過去の経歴を調べてみると、さすがにでかい口を叩くだけあって、成績はしっかりと残しているというかお見事の一言だ。

●ズラタン・イブラヒモビッチの所属チーム変遷
●セリエA(サッカー)の優勝チーム一覧

この二つのサイトを見ると分かるように、ユベントス2年、インテル3年、バルセロナ1年と所属チームを変遷しているが、その全てのチームで優勝しており、現在のところ6年連続で優勝しているのだ。厳密にいえばカルチョスキャンダルでユベントスの2年連続優勝は剥奪されているが、それにしてもイタリア・スペインと世界にその名前が轟くビッグクラブで常にスタメンを張り、6年連続で優勝は凄すぎる。今季ACミラン移籍後も相も変わらず個人能力の高さを見せつけており、まさにイブラヒモビッチならではのゴールを連発しているが、考えてみれば英独伊西のトップチームに所属している選手はみんな程度の差はあれ、イブラヒモビッチと同様に猿山のボス猿なのだ。それを口に出すか出さないかの違いだと思うが、本音をポロッと漏らしてしまうイブラヒモビッチの方がまだ分かりやすいと言えるかもしれない。

我々日本人の感覚で言えば、一人の所属選手が『この俺が全部を、つまりゲームを作り、アシストを送り、そんでもってゴールを決める役まで一人でやってたんだからな』とか『とにかく、確かなのは、この俺は、超の付くビッグクラブでのみプレーすべきFWだってことだよ』『僕の前に立ちはだかる者たちは皆、敗者となることだろう』の発言はあり得ないが、欧州南米サッカーの世界では特段珍しいことでもない。過去に遡れば、ガスコイン、ロマーリオ、エジムンドなどいくらでも挙げることが出来るのだ。

イブラヒモビッチ、ロナウジーニョ、ロビーニョ、パトとどう考えても併存不可能な主義主張の強い四人を抱えたACミランを始めに、怪我で戦列を離れているブラジルのカカが所属するレアル・マドリーなど英独伊西のトップチームは常に一歩間違うと内紛勃発に陥る。そこで問われるのが監督の手腕だが、ACミランのアッレグリ監督、果たして6年連続優勝中のイブラヒモビッチ伝説と共にACミランをセリエAまたはチャンピオンズリーグ優勝に導くことが出来るかどうか、今年は見ものだ。

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Last updated  2010年10月03日 11時38分56秒
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