2008年04月11日に掲載した『表参道の散策-その33"北青山3丁目テナントビル"』
ビル建設時から注目していたのだが、機会を逸していたためになかなか紹介することの出来なかった北青山Aoビル。先日表参道を訪れたときにじっくりとそのサインを見てきたので紹介したい。すでに業界雑誌や一部のサイトでは掲載されているので前知識はあったのだが、改めて見るとさすがに表参道・北青山という場所柄にふさわしいサインが展開されている。まず最初に掲載するのは、業界用語でディレクトリサインと呼ばれる建物の裏側の総合案内板について。
4枚目、5枚目の写真と3枚目、6枚目の写真をよく見比べてほしい。4台並んでいるアクリル板の外周は青白く照らし出されているので、アクリル板の裏側が青いのだろうと思いきや、実はそうではなく白色仕上げとなっている。3枚目の写真の右端、つまり4階と5階の表示がされている案内板の側面を見ても分かるように、あくまでも見える範囲は白色仕上げなのだ。では何故周囲が青白く照らし出されているのだろう。ここからは推測だが、裏面に青色を発色するLEDを設置しているのか、あるいは裏面全体に青色フィルムを張るなど着色をして白色LEDを配置、そして白色LEDが裏面の青色を反射させて壁を青白く光らせるかだが、おそらく後者の手法と考えて間違いないだろう。
背景の縦横に走るグラフィックラインはシルク印刷だろうと現地では特に気を留めなかったのだが、帰社後に拡大写真を見て驚いた。8枚目の拡大写真を見ると縦横に走るグラフィックラインに平坦な印象はなく、むしろ立体的な造形となっている。ということはアクリル板の裏側に何かしらの造作物を仕込んでいるわけだ。6枚目の写真からは、どうやら三層構造の案内板であることは分かる。数字書体、背景のグラフィックライン、そして透明感を全面に押し出すことを基調としながらも背景には青白い輪郭線を照らし出すなど、随所にアイディアが満ち溢れた素晴らしい作品で、質感はアクリル板でありながらも相当高い。見せるのに金属材質ばかりに拘る必要は全くなく、アクリルだけでも工夫によってはここまで仕上げることが出来ると言う典型的な事例だろうと思う。個人的には後日紹介する正面入口のディレクトリサインよりもこの裏側のディレクトリサインの方が遥かに気に入っている。
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