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2010年11月06日
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テーマ:私のPC生活(7434)
カテゴリ:┣ ★Windows情報★

今朝日本経済新聞を見たら尖閣諸島沖の衝突ビデオ投稿者のことが掲載されていた。新聞では『将来的には特定される可能性がある』『とはいえ特定することは不可能ではない――と言えるだろう。』との表現を使用しているが、個人的には特定されないのではないかと思っている。もちろん愉快犯・模倣犯の助長を防ぐために特定されるから駄目ですよとの書き方をしているのは理解出来るので、日本経済新聞に突っ込みを入れる気は毛頭無いが、個人的には非常に興味のある話題だ。このブログでは政治問題に触れたことは一切無く、あくまでもPC&ネットのことのみ。なので純粋に技術的に可能かどうかの見地から今回の流出事件を分析してみる。

●(日本経済新聞より)衝突ビデオの投稿者は特定されないのか 尖閣諸島沖事件の映像が「YouTube」に流出
2010/11/5 20:31

世間をにぎわしている沖縄・尖閣諸島沖の「中国漁船衝突事件」。その模様を撮影した動画が、動画共有サイト「YouTube」に投稿されて大きな話題になっている(図1)ここで一つの疑問が浮かぶ。「なぜ投稿した人物が特定されていないのか」ということだ。インターネットでは、匿名で動画を投稿することが可能なのだろうか。もちろん、そのようなことは不可能だ。例えば、掲示板サイトに犯罪予告などを書き込んだために逮捕されるユーザーは後を絶たない。ほとんどの場合“犯人"を特定できる。ただし、時間がかかることが多い。今回の“事件"も同様だ。今は特定されていないものの、将来的には特定される可能性がある。なぜ「完全な匿名」は実現できないのか、なぜ時間がかかるのか。以下、解説しよう。
(途中省略)
以上をまとめると、表明上は匿名で動画を投稿できても、IPアドレスという痕跡は確実に残る。そして、サービス事業者やプロバイダーが法執行機関に協力すれば、投稿者の特定は可能。ただし時間はかかる。投稿者が何らかの“工夫"を施していれば、オフラインの調査が必要になる。とはいえ特定することは不可能ではない――と言えるだろう。


つまり犯人特定のためにはサービス事業者やプロバイダーの協力が必要となるのだが、今回サービス事業者として挙げられているのはもちろんGoogle。つまりYouTubeの運営管理をしているGoogleが捜査に協力しなければならないわけだが、朝日新聞によるとYouTubeのサーバは米国にあるために捜査は極めて難航しそうだ。というのも話題性の低い事件ならばすんなりと協力するだろうが、尖閣諸島沖問題は完全に高度な政治判断を要する問題。先日米国から提案された日米中の三カ国外相会談も中国側の反対に遭い、雲散霧消の可能性が非常に高い。となると、かりに米国側の協力が得られたとしても通信記録等の証拠が日本側の警察に届くまでには相当の時間が掛かるだろう。

●衝突ビデオ投稿者、4日に会員登録し25歳・日本と申告

登録情報などから投稿者を特定するには、ユーチューブ側の協力が不可欠だ。ユーチューブを傘下に持つグーグル広報は「警察、政府当局などしかるべきところから公式な要請があれば、捜査協力はする」と話す。ただ、すでに捜査協力への要請があったのか、映像を削除するよう依頼があったのかなどについては「答えられない」という。ユーチューブのサーバーは米国にあるため、日本の警察が単独で強制捜査に踏みきり、資料を押収することはできない。


内部提供者=ビデオ投稿者なのか、それとも内部提供者+ビデオ投稿者の二人一役なのかは分からないが、一般的に考えてこのビデオを投稿する人間は相当なPC&ネットに関する知識を持っていることは間違いないだろう。自宅回線から大手接続業者につないでそしてYouTubeに投稿したと仮定すると、YouTubeの通信記録が米国より提供された時点で投稿者は特定されるも同然。が、精通している人間ならばそんな初歩的な接続方法は取らないのだ。海外に無数に存在する代理サーバを経由してYouTubeに接続する。それも一つではなく幾つも重ねて接続する。


ではなぜ海外のサーバにつなぐのか?簡単に言えば日本の捜査権が及びにくく、しかも通信記録自体も厳重に管理されていない場合があるために、時間が経てば経つほどサーバ自体が消滅して追跡調査が困難になるからだ。

つまり
投稿者→PC→大手接続業者→YouTubeだと犯人は特定出来るが、
投稿者→PC→接続業者A→海外サーバ→海外サーバ→(省略)→海外サーバ→YouTube
だと捜査は極めて困難だろう。

では仮に投稿者が日本国内で在住していたとして海外サーバに接続するための接続業者Aは一体どこになるのだろう。最も安全な方法は他人の自宅無線LANを借用したり、身分証明書の不要なネットカフェ等を利用することだろうが、もし無線LAN利用だとすると全編44分のアップ作業が結構きついかもしれない。もちろん他人の無線LANなどを借用したことはないが、仮に1本あたりの動画容量を40~50MBと設定すると、6本あったので合計で200MB~250MBぐらいだろう。アップ出来ない容量ではないが、有線接続ならぬ無線接続を考えるとアップ時の環境により断線も充分あり得る容量となる。実際にノートPCで公衆無線LAN200MBアップをやってみれば分かるが、公衆無線LANサービスが行き届いている都内でさえもうんざりしたくなる容量だ。手っ取り早くアップを済ませるためには有線接続を選びたくなるところかもしれない。ネットでは米国国防省がハッカー狩りのために海外サーバを何段重ねても捕まえた事例があるから予断を許さない等の書き込みもあるが、時間との戦いは間違いのないところ。個人的には中国人船長が無罪放免でビデオ投稿者が犯罪者では納得のいかないものを感じてしまう。

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Last updated  2010年11月06日 11時16分36秒
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