チャンピオンズリーグ準決勝のレアル・マドリー対バルセロナの一戦の結果が様々な場所で物議を醸し出している。個人的にはダニエウ・アウベスは完全なオーバーアクション、ぺぺの足蹴りは審判によってはイエローカード、レッドカードどちらでもあり得る微妙なジャッジだけに論争がなかなか収まらないのだろうが、ピッチの内側、純粋にサッカープレイ以外の面での話題が世間を賑わしていること自体、あまり面白くないものだ。
ペジェグリーニ元レアル・マドリー監督の意見に集約されるような気がするが、正直試合内容だけを冷静に振り返るとメッシの個人技を除いては凡戦に近く、CL準決勝の試合とはして疑問符が付くものだった。双方のファンともに終盤までもつれ込む、手に汗を握る白熱した試合展開を期待していたと思うが、やはりバルセロナのパスサッカーを目の前にするといくらホームといえどもレアル・マドリーでさえ守備的な戦術になってしまうのだろう。
モウリーニョ監督の採用した戦術はイタリア・インテルならまだしもスペイン・レアル・マドリーではふさわしかったのかどうか、熱心なレアル・マドリーのファンではないので判断しかねるが、かつてリーグ優勝したにも関わらずレアル・マドリーの哲学にふさわしくない戦い方だったとして解任されたカペロ監督を想起させる。とはいえ、もしあのままペペ・イエローカードで済んでいたのならば、65分にカカ投入でレアル・マドリーが1点をもぎ取った可能性も否定出来ないだけに、審判の判定が大きく試合の流れを変えた一例として双方のファンの記憶に残り続けることになるのであろう。
バルセロナの選手を見ていると、ペドロ・ブスケツ・アウベスあたりのプレイはオーバーアクションが多いように思う。日本人の感覚からすればフェアプレイにはほど遠いのだが、勝負に拘る彼らからすればこれぐらいは当然、やって当たり前なのだろう。モッタ退場のバルセロナ対インテル戦でのブスケツのチラ見に限らず、バルセロナ有利の判定は至る所であるだけにモウリーニョ監督もついに怒髪天を衝き、暴言に近い発言をしているように思える。
自らMission Impossibleとサジを投げただけにカンプノウで行われる第二戦にレアル・マドリーが勝利し、決勝進出する可能性は限りなく0近いが、レアル・マドリーとしての意地を是非とも見たいものだ。それにしてもメッシの個人技は圧巻だった。2010年10月10日に投稿した『オランダ代表MFデ・ヨンクの凶行』で『個人的にはクリスティアーノ・ロナウドとメッシでは格が違うと思っている』と書いたところ反論が寄せられたが、この日をプレイを見ているとルーニーと全く同じ感想を持ってしまう。願わくばこのまま決勝戦まで怪我無くベストの状態で出場して欲しいものだ。
●かつてのチームメート以上にバルサのエースを称賛
2010/06/08 12:37:00
マンチェスター・ユナイテッドに所属するイングランド代表FWウェイン・ルーニーが、ドイツ『キッカー』のインタビューで、かつてのチームメートで現在レアル・マドリーに所属するポルトガル代表MFクリスティアーノ・ロナウドよりも、バルセロナのアルゼンチン代表FWリオネル・メッシの方が優れているとの見解を示している。
「メッシは信じられないよ。オレは、彼が明らかに前をいっていると思う。別のカテゴリーの選手だよ。彼とディエゴ・マラドーナが、史上最高の選手たちだ。C・ロナウドはこの答えが気に入らないだろうな。でも、オレはメッシの方が良いんだ」
「この数年、メッシはプレーを高いレベルへと引き上げた。緊張感や、スペクタクルなクオリティーもね。ロナウドだってファーストクラスの選手だし、ワールドクラスのプレーヤーだ。でも、今年のメッシはシンプルに“別のカテゴリー”にいたんだよ」
●モウリーニョ:「なぜだ?」
●ペジェグリーニ:「今回のクラシコは最悪だった」
●C・ロナウド:「バルサとはいつも同じだ」
●シャビ:「ペペ退場は正しい判定だった」
●ペップ:「モウリーニョについて? 何もない」
●バルサ、メッシ2発で決勝進出にリーチ
●ファギー:「メッシよりC・ロナウドの方が上」
●X・アロンソも主審の判定を批判
●ヴェンゲル、アンチェロッティがモウリーニョに異論
●リオ&オーウェン、バルサ選手を批判
●レアル・マドリー対バルセロナ選手採点