新聞紙面に所沢ゆり園の広告が掲載されていた。なんでも6月中旬から下旬にかけて、約3万平方メートルの自然林に咲き誇る50種類・約45万株のゆりを眺めながら、森林浴と散策を楽しむことが出来るというものだ。5月中旬には秩父の羊山公園の芝桜を見に行ってきたこともあり、郊外地でしか見られぬ花の絨毯は日頃都会の喧騒に包まれる我々にとってはまさに休日のオアシス。所沢といっても西武新宿線を利用すれば片道1時間半ほどで到着することが出来るので、さっそく所沢ゆり園を訪れてみることにした。
腕に覚えのあるカメラマン達が一眼レフカメラと三脚を片手に大勢訪れるかと思いきや然(さ)に非ず。高田馬場から西武新宿線に乗り込んだのだが、終点が近づくにつれ乗客はまばらになり、どう見てもカメラマンらしき風情の人は皆無に近い状態だ。時すでに遅しとばかりに、小鳥たちがさえずる早朝から乗り込んで人影のまばらな時間帯で撮影を済ませているのか、さてまた昼間とはまた異なる表情を見せる夜間ライトアップ時の刹那を狙っているのかは定かではないが、いずれにしても思ったほどに観光客は多くなかった。
満開というには時期的に少々早かったこともあり、ゆったりと一輪一輪の構図を考えながら撮影するには絶好のチャンスだったのかもしれない。というのもこれだけ写真を主体としたブログを製作しているせいか、日蓮宗派の「南無妙法蓮華経」と題目を唱えながら打ち鳴らす法華の太鼓ではないが、最近はカメラの腕が徐々に上がってきているのが分かるのだ。今までは写真コンテストと無縁の生活を過ごしてきたが、遠く所沢まで片道1時間半かけてきたからには、何かしらのお土産を持って帰りたいもの。下調べで
公式サイトを見ていたら、ゆり園の楽しみ方の一つにフォトコンテストが掲載されていたので、物は試しで挑戦してみることにした。
写真撮影は本業ではないので浅学菲才の身ゆえに経験則から判断すると、基本は刹那的な構図、そして被写体への理解力、この二つの相乗効果によって仕上がりは決まるものだと思っている。今回のテーマである花への理解力は凡庸の域を出ないだけに、構図一本で勝負することにしたが、その出来栄えは如何に。ビギナーズラックを狙うほど素敵な写真が撮影出来たとは思ってもいないが、何事も挑戦することが大事。ということで、フォトコンテストに応募してみようと思う。