ブログで何度か掲載してからも、たまに大手家電量販店の店頭で触っていたシャープガラパゴス。個人的にはこれぐらいの大きさのタブレットPCがちょうどよく、電子ブックストアサービス「TSUTAYA GALAPAGOS」での展開をとても楽しみにしていたのだ。従って少しずつハードウェアの性能が改善されてくれれば嬉しかったのだが、以下の記事を読む限り、抜本的な改善は不可能、2012年に捲土重来ということなのだろう。
思うに初代ガラパゴスの出来は非常に悪く、市販レベルにすら到達していなかった。よくまあこの程度の完成度で販売したなと見識を疑いたくなるが、逆に言えば用意周到、準備万端で販売されたiPadの完成度が高すぎたのだ。スマートフォンやタブレットPCはデザインが画一的になりやすく、見た目の差別化はしにくい。
従ってまさにハードウェアの出来そのものとアプリの充実度が売れ行きを左右しやすいのは分かるが、電子書籍サービスを一刻でも早く立ち上げたいとの思いから、ハードウェアの完成度がないがしろにされた側面は否定出来ないような気がする。
●これも進化か? シャープのGALAPAGOS2機種が販売終了へ
シャープは9月15日、昨年12月に発売したメディアタブレット「GALAPAGOS」2機種について、2011年9月30日の正午で販売終了とすることを同社サイト上で発表した。(省略)現時点で後継モデルなどの発表はなく、これにより、GALAPAGOSブランドのタブレットは2011年8月に登場した7型Androidタブレット「A01SH」のみとなる。
この記事を読む限り、市場から撤退するのかと思いきや、昨晩公開された記事によると、2012年に改良型のガラパゴス2が登場するとのこと。これから続々とAndroid搭載のタブレット型PCやWindowsタブレットの発売が予想されるだけにますます競争の激化は必至。
●シャープ担当役員、「GALAPAGOSは決して撤退しない」
「GALAPAGOSは決して撤退致しません。来年にも、更に新モデルを追加販売する予定です。今後もさらに魅力ある端末とコンテンツサービスの提供に努め、事業拡大を図って参ります」と述べ、一部メディアで事業撤退などとされたことについてその考えはないことを強調した。
生産中止となったガラパゴス2機種については以下の関連記事で論評しているが、正直日本を代表する総合家電会社であるシャープからこのような製品が販売されたこと自体が悲しかった。数多くのシャープ製品を愛用してきただけに、次期端末では日本人の使い勝手に合った、かゆいところに手が届く端末を発売して欲しいと切に望んでいる。
●ソニー、「敵失」「新製品」で潮目変わるか
2011/9/8 6:00
「アップルの『サムスン切り』が進んでいるらしい」。株式市場や電機業界の関係者の間で今、こんな話題が持ちきりだ。
きっかけは米アップルと韓国サムスン電子のスマートフォン(高機能携帯電話)やタブレット端末の知的財産権を巡る係争だ。対立を受け、アップルがサムスングループ向けの電子部品発注を減らし、日本メーカー向けを増やしているもよう。サムスンがドイツの欧州家電見本市「IFA」で新型タブレット端末の展示を中止するなど、完成品でも影響が出ている。
ソニーのライバルとして、常に優位にあったサムスンだが、最近は苦戦している。サムスングループの2011年1~6月期の純利益は前年同期比21%減少した。追い風となっていたドルウォン相場も足元ではウォン高傾向だ。昨年末と比べた対ドル相場は円、ウォンともに5%高の水準。ウォン安を生かした価格競争は仕掛けにくく、ソニーの競争条件は改善している。同社はアップル向けの部品納入も増やしている。
「反転攻勢に打って出る」。ソニー幹部はこう話す。同社は今春以降、東日本大震災やハッカー攻撃に見舞われ、その対応に追われてきた。半年がたち、影響はようやく収束しつつある。ふと周りを見渡せば、サムスンの例のように競争条件が改善しているケースも少なくない。財務体質も健全な状態を維持できている。問題は与えられた状況を生かし、自らの成長戦略を加速できるかだ。
関連記事
●2011年01月04日 ここを改善して欲しい"シャープ・ガラパゴス"
●2010年12月18日 ソニーとシャープの電子書籍端末の感想
●2010年12月11日 シャープガラパゴスの気になる点