JRや地下鉄車内でやることと言えば、一昔前までは新聞・雑誌・文庫本と決まっていたが、近頃は圧倒的に携帯電話。雑誌や文庫本を読んでいる人の方が珍しく、新聞を読んでいる人は殆ど見かけなくなった。人々の生活スタイルが大きく変化している証拠だと思うが、考えてみれば携帯電話やスマートフォンでは新聞や雑誌を読むことが出来るのだから当たり前だ。
特に重宝するのが新聞記事で、日経新聞のように一つの記事の最後に関連記事が掲載されていると芋づる式に次から次へと関心の高い記事をクリックしてしまうので、読みふけるとあっという間に時間が経過してしまう。携帯電話やスマートフォンの画面で新聞を読むのは文字が小さすぎて読みにくいかもと当初は敬遠する気持ちもあったものだが、各社小さい画面でも読みやすいように様々な工夫がなされており、特段不都合は感じない。
とはいえ地下鉄内で新聞を読んでいるときに困るのが、電波の遮断だ。現状は駅のプラットホームではウェブサイトに接続出来るものの、トンネル間は当然のことながら断線となり、そのたびに接続し直さなくてはなくなる。出来ればトンネル間でもネット接続出来るようになれば嬉しいのだがと思っていたら、なんと都内の地下鉄では2012年末までに走行中のネット接続が可能になるとの記事が掲載されていた。
地下鉄車内の走行中のネット接続の可否を巡っては様々な意見があったように聞いているが、顧客の利便性の向上を優先させたとのことなのだろう。個人的にはとてもありがたいサービスだが、一方で求められるのはより一層のマナーの向上。現状でも優先席に座りながら平気で携帯電話を操作している人は数多く見受けられるだけに、時と場所をわきまえて使いたいものだ。
●都内の地下鉄、走行中もネット接続
東京メトロと東京都は2日、2012年末までに地下鉄のトンネル内で携帯電話が利用できるようにすると発表した。列車が駅と駅の間を走行しているときでもメールやインターネットの接続ができるようにし、乗客の利便性を高めるとともに、災害時でも外部と連絡を取りやすくする。通話もできるが、乗車中は控えるように求める。
メトロは12年3月までに南北線の本駒込―赤羽岩淵でサービスを始め、その後、他の路線でも順次拡大し、12年中に全線で利用可能にする予定。都営は12年3月に新宿線の新宿―九段下で開始する。他の路線にも広げ、12年12月までに大江戸線の一部区間を除く路線で実施する。携帯電話会社などでつくる移動通信基盤整備協会(東京・千代田)がトンネル内に電波を発するケーブルを設置する工事をする。
都営とメトロは乗車中の通話はしないように求めるほか、優先席付近では電源を切るように要請する。