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2012年04月01日
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たまにテレビで放送しているバレーボールの世界選手権を見たときのこと。世界チャンピオンのイタリアと日本代表が戦っており、確か1セットぐらい日本が取ったように記憶している。バレーボールは守備範囲外なので外していることもあるかもしれないが、となるとアナウンサーは大はしゃぎ。この勢いを持続すれば、ひょっとしたらひょっとして世界チャンピオンのイタリアを追い詰めることが出来るのでは・・・なんて言い出す始末だ。

が、見る人間が見れば分かると思うが、世界チャンピオンのイタリアは完全に流している状態で、まじめにやっていないのが一発で読み取れる。世界選手権だからどの試合も持てる力を全て出し尽くして、なんて考えるのは日本人ぐらいで、彼らは抜けるときは抜いてしまうのだ。

●2007年12月15日 ACミラン対浦和レッズの感想

ACミランは試合巧者だ。対戦相手が1の力がないと分かれば2の力で勝つ、4の力を持っていれば5の力で勝つチームだ。1の力しかないチームに対して5の力を出すことはない。本気を出して戦うと疲れるからだ。だから1対0のスコアはまるで参考にならない。


彼らが本気を出せばどのような展開になるのか、明日の新聞を読めば充分だろうと思い、他のチャンネルに切り替えてしまったが、もう少しことの本質を見抜いた解説はすべきだろう。アナウンサーと解説者である以上、スポンサーの手前、『なんだ、まじめにやっていないですね』なんて言うのは難しいのは分かるが、正しい分析結果は必要だ。

日頃から欧州各国、スペイン/イングランド/イタリアなどのプロサッカースポーツを見ていると、臨む試合ごとにモチベーションが異なるのがよく理解出来るが、今から10年?15?年以上前だろうか?オリンピックサッカーを見ていたら、日頃からよく知っているプロサッカースポーツの選手がその国の代表としてオリンピックに出ているのを知った。試合でのプレーを見ているとプロサッカースポーツのリーグ戦とは異なり、明らかに手を抜いている。全力プレイで試合に臨んでいないのだ。

以来、他国の代表選手の試合も注意深く見るようになったが、もちろん全力で取り組んでいる選手も居るのは分かるが、かなりの選手が似たり寄ったりでモチベーションが低い。大会の望む前のコメントでは『選ばれた以上は国の代表として一生懸命やります』なんて、甲子園の高校野球の大会宣言みたいなことを言っているが、言っていることとやっていることは全く違う。

ああ、そうなんだ、オリンピックサッカーってモチベーションが低いんだろうな、と思って当時発売されていたサッカー雑誌を片っ端から購入して勉強すると、ようやく分かってきた。簡単に書けば、まじめにやらない、手抜きなのだが、解説者風に言えば、国によって温度差があるということなのだろう。

【杉山茂樹コラム】五輪の男子サッカーが抱える根本的な問題
February 13, 2012 17:54

五輪の男子サッカーを、他の国々はとうの昔からそんな調子で眺めている。五輪を重要なイベントだとは見ている国は少ない。欧州は特にその傾向が強い。

中田英がローマを離れ2000年のシドニー五輪に出場することを知ったイタリア人記者は、こう言って目を丸くしたものだ。「なぜそんなレベルの低い大会にわざわざ出場するのか。その間にローマでポジションを奪われたらどうするのか」と、真剣に驚いていた。

●宮市の五輪代表招集には応じない ボルトン監督が明言

試合後のコイル監督は「リョウは前線ならどこでもできる。今日も素晴らしかった」と絶賛したが、その後は気になる発言も。「プレミア残留に彼が必要。前回、日本代表に招集されたが出場しなかった。日本帰国は彼のためにならない。今後、五輪代表の招集には応じない」と断言した。

「前向きに対応する」との前言を覆し、U-23日本代表への招集に応じない考えを示した。3月のウズベキスタン戦でA代表に初招集されたが起用されず、予想以上に宮市が疲労したことで考えが変わったようだ。5月末のツーロン国際大会への招集にも応じない意向。所属元のアーセナルも基本的に五輪出場には否定的で、宮市のロンドン五輪出場へのハードルは一段と高くなった。

●オリンピックサッカー競技

これに対して男子競技は、FIFA U-20ワールドカップとワールドカップの間の中途半端なカテゴリとして捉えられることが多い。アジア・アフリカ・北中米カリブ・南米の諸国は若年層の強化、あるいは五輪という大会のステータスを重視して力を入れることが多いのに対し、欧州では同年に欧州選手権があることも関係し、年齢制限つきの大会であるオリンピックサッカーへの注目度は極めて低い。また、シーズン開幕直後の時期の怪我や疲労を恐れ、所属する選手を五輪に出場させることに消極的なクラブも多い。特に優秀な選手を抱える欧州のビッグクラブではそれが顕著であり、欧州各国はもちろん、非欧州各国においても欧州クラブ側の抵抗によってベストメンバーを揃えるのに苦労するサッカー協会は少なくない。

多くのスポーツ競技が最終目標としてオリンピック種目への採用を目指す中で、「オリンピックへの協力を渋る競技側と、それを引き止めるIOC側」というサッカー界の構図は異例であり、オリンピックを凌ぐ規模の国際大会を持つサッカー特有のねじれ現象だと言える。


ではなぜ欧州では価値そのものが低いオリンピックサッカーに日本がこれだけ熱を入れているのかというと、やはり第二次世界大戦の敗戦後、国土が焦土と化し、絶望にうちひしがれる中で、オリンピック開催に国威発揚と浮揚をたくし、それが成功した原体験が忘れられないからなのだろう。だからその体験者とも言える石原都知事が再び東京でオリンピック開催を唱えるのは心情的には理解出来るが、果たして今現在の若者達がそれに飛びつくほどの憧憬の念を持っているのかは正直疑問に思う。

良くも悪くも現在のプロサッカーは欧州天動説で、欧州を中心に世界が回っている。欧州民族の文化・歴史・伝統・背景・民族・経験が凝縮された欧州プロサッカーは唯一無二、唯我独尊。従って欧州域内で開催される大会だけに権威があり、それ以外のものは全て認めていないのだ。なので価値そのものが低いオリンピックサッカーに情熱を注ぎ込む日本の姿勢を見ていると滑稽の二文字がよく似合うが、本来であればマスコミがそれに言及すべきであろう。

が、敢えてそれを言わないのはやはり業界内で働いている以上、批判や非難の記事よりも提灯持ち記事の方が喜ばれるからだと思っているが、少なくともごくごく普通の人達が読む朝日・読売などの新聞各社は正しいものの見方を掲載して欲しいものだ。やる気のない国が出場している大会で優勝したとしても意味があるが価値はない。

その代表的な事例が男子オリンピックサッカーだと思っているが、正しいものの見方を誰かが教えない限り、その国のサッカーレベルはいつまで経っても上がらないのだ。このブログでは何度か書いているが、その国のプロサッカーレベルと一般大衆のサッカー分析能力は正比例する。

敗戦したにも関わらず、『夢を見せてくれてありがとう』なんていうコメントが寄せられているようではいつまで経っても日本代表はワールドカップでは勝つことはできまい。批判するときは批判し、敗戦したときには常に『後一歩及ばず惜敗』という敗者を称えるような分析はやめることが大事。

最後に女子サッカーについて私見を書くと、女子サッカーはレベルが低すぎて90分見ているのが苦痛以外のなにものでもないが、先般優勝したワールドカップに引き続きオリンピックでも優勝を狙っているという。そのこと自体は決して悪いことではないが、ワールドカップとオリンピックを同レベルで扱うマスコミには苦言を呈したい。現在の報道姿勢だと多くの人がワールドカップよりもオリンピックに優位性を感じてしまうからだ。

我が子の幼稚園のお遊戯発表会を何度見ても飽きない熱心な親も居るのかもしれないが、一度見れば幼稚園のお遊戯は充分と感じる親も居る。私が見たいのはお遊戯ではなくて、銀メダルを首からぶら下げて歩くなんて恥ずかしいことは出来ないと考える本当のプロサッカー選手なのだ。






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Last updated  2012年04月01日 11時36分26秒
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