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2012年07月13日
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カテゴリ:┣ ●海外の散策●

消された“O"の悲劇 主催者サイドの圧力で犠牲に?
2012.7.11 11:16





5月22日にAP通信が配信したこの写真。ロンドン東部、ストラトフォードの街角にあるコーヒーショップを撮ったものだが、何かがおかしい。お店の名前は「CAFE LYMPIC」。だが、よーくみると、かすかに「O」の文字が消されているのが分かる。

そう、もともとの名前は「OLYMPIC」。ところが、ある日、忽然と「O」の文字だけが消されてしまったのだ。突然の店名変更について店主は多くを語っていないが、AP通信をはじめとする海外メディアによると、五輪主催者による懸命な“ゲリラマーケティング"との戦いの“犠牲者"になった可能性が高いという。

もちろん、「オリンピック」自体は一般的な名詞で、日本にもスーパーマーケットやホームセンターなどを展開している「Olympic」という会社がある。コーヒーショップの店名変更が主催者サイドからの圧力だとしたら、ちょっとやり過ぎでは?という印象も受けるが、十分にあり得る話ではある。それほどまでに今回、国際オリンピック委員会(IOC)やロンドン五輪組織委員会(LOCOG)が五輪の商標に神経質になっている証拠ともいえる。何しろ、2008年の北京五輪からの4年間で五輪関連の商標販売は24億ドル(約1908億円)に達し、ロンドン五輪期間中の資金の44%以上を占める。マクドナルドやコカ・コーラ、サムスンなどの大手スポンサーは1億ドル単位のスポンサー料を支払っており、主催者サイドは彼らの権利を守るのに懸命なのだ。

誰もが「オリンピック」の名称や五輪マークを自由に使えるとすれば、これらの企業はそんな大金を払う必要がなくなってしまう。すでにロンドン五輪の主催者は「スポンサーがなければオリンピック自体が成り立たない」との声明も出している。主催者にとってスポンサーは神様のような存在。そのために小さなコーヒーショップが犠牲になることはやむを得ないのかもしれない。

また、五輪関係者は「これまでは広告や看板に注意するだけで済んだが、今はブログやフェイスブック、ツイッターなどのソーシャルメディアにまで気を配る必要がある」と指摘している。もし、選手の誰かが五輪期間中に「コカ・コーラよりペプシの方が好きだ」などとつぶやこうものなら大騒ぎになってしまうというのだ。

多くのメディアは、この「O」の消されたコーヒーショップに同情的な論調だが、こうして世界中で話題になると、むしろいい宣伝になったといえるかもしれない。「カフェリンピック」…。五輪の商業主義を象徴する存在として、今後はロンドン観光の新名所となるかも…。(五輪取材班)



この記事を読んだので、早速Googleマップストリートビューでその『Cafe Olympic』を見てみた。



この写真中央の女性はその後ろ姿が以下の写真でも確認出来るので、この2枚はほぼ同時刻に撮影されたことが分かる。そしてGoogleマップストリートビューで見るお店のサインも『CAFE
LYMPIC』になっている。



ところが最後の写真には道路脇にプジョー1007も停車していなければ、よく見るとお店の名前も『CAFE OLYMPIC』になっている。つまりこの上の2枚の写真と最後の写真は撮影された日が異なるのだ。冒頭に掲載した記事を読む限り、圧力によりGoogleマップストリートビューの差し替えが行われたと考えるのが自然だが、担当者のうっかりミスにより修正漏れが発生したのかもしれない。それにしてもここまでやるとはちょっとやり過ぎのような感じがしないでもないが、Googleマップストリートビューを見ているといろんなことが想像出来るのだ。




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Last updated  2012年07月16日 14時15分46秒
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