それにしても滅多に見ることが出来ない建築方法だと思うが、羽田クロノゲート・フォーラム棟が開花するまでの様子を30分刻みで撮影した写真が日経新聞に公開された。写真を見ているとまさに花が少しずつ開花していくかのような印象を抱いてしまうが、これがわずか1日で完成するというのも驚きだ。詳細は以下の記事から。
●開花まで8時間 ヤマト巨大建造物「誕生の瞬間」
地面に急角度で立てた、高さ12m、重さ90tにおよぶ24枚のプレキャストコンクリート板。上空から見ると円形に並んだ巨大な超重量級の「花びら」が、およそ8時間かけて完全に開いた――。
本コラム「ニッポン改造」の記事「『花びら』開いて大空間
ヤマト、羽田に巨大物流拠点」で紹介した羽田クロノゲートのフォーラム棟。巨大なプレキャストコンクリート板が外側に倒れる力を利用して、鉄骨の屋根を持ち上げる「アップリフト」作業が、昨年(2012年)12月25日に行われた。定点観測カメラによって30分間隔で撮影した写真を見ると、花開く様子が一目瞭然だ。
まずは定点観測した写真をご覧いただこう。アップリフトは9時半ごろに始まった。徐々にプレキャストコンクリート板が倒れて鉄骨屋根が引き上がり、日が沈んだ18時前までに8.0m上昇して、所定の高さに到達した。
■屋根を5分で10cm引き上げる
アップリフト当日の作業は次の通りだ。まず、円の中央に設けたベントのジャッキを開放し、屋根の荷重を外壁のプレキャストコンクリート板に受け替えた。この準備作業を終えた後、プレキャストコンクリート板の下部に設けた水平ジャッキを制御して、プレキャストコンクリート板を少しずつ外側に倒した。
プレキャストコンクリート板を倒し始めたのは午前9時半ごろ。1回のストロークで、約5分掛けて屋根を約10cm引き上げた。ストロークごとに、プレキャストコンクリート板が偏心せず均等に倒れているかを確認。この作業を繰り返した。
屋根を1.8m引き上げると、プレキャストコンクリート板の重力で倒れようとする力と屋根の重力が釣り合った状態になって動きが止まる。作業開始から約2時間後の午前11時15分ごろを目安に、屋根を1.8m上昇させる予定だったが、最初の2~3回のストロークはプレキャストコンクリートの倒れ具合などを慎重に確かめたため、作業が3時間半ほど押した。引き上げた高さが1.8mに達したのは、14時45分ごろだった。 |
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