不動産売買の契約成立
売買契約は、売主、買主の売る、買うという意思の合致によって成立する。契約書などの書面がなくても契約自体は成立するが、通常は契約の成立を証明するために、売買契約書等を作成する。契約書には当事者双方が署名・捺印をする。印は実印に限らず認め印でもさしつかえないが、書面の証拠力を強めるには実印を用い、印鑑証明書を添付するほうが望ましい。なお、契約書等に収入印紙を貼付することは、、印紙税法上要求されていることであって、印紙がなくても契約書そのものの効力には影響しない。不動産売買では、成立と同時に、買い主から売り主に一定の金銭、いわゆる手付けを交付することが広く行われている。一般に手付けには、1,契約が成立した証拠となるもの(証約手付)2,一方が契約を履行しない場合の損害賠償額を予定したもの(違約手付)3,契約を解除する権利を留保したもの(解約手付)という三つの種類、性質があるといわれている。どの類型の手付けであるかは、各ケースにおける当事者の意思によるが特約がないときは、第3の解約手付と解される。解約手付の場合、買い主は手付金を放棄し、売り主は手付金の倍額を返還して、いずれも契約を解除することができる。