しあわせコスメ

私の父はとっても怖い人です。

子供の頃はあまりのしつけの厳しさに泣く事もしばしば。

今でこそ穏やかになりましたが、
そしてここだけの話、頭を叩かれた事もありました。

「同じ間違いを犯すやつは愚かだ」と、
二度同じ注意をさせることを徹底して叱られました。


そんな父をずっと怖いと思っている反面、
私の母は子供の頃から私たちに対して
「お父さんは世界で一番かっこいい人なんだよ」と
育ててくれていたので、かっこいい、尊敬する人でもありました。

父が６年も待って結婚したくらいベタボレだったくせに
何故かとっても亭主関白な父でした。

結婚の挨拶に二人で実家に帰ったとき
もう息子として認めているからと、絶対に
「娘さんと結婚させてください」という台詞を言わせてもらえませんでした。


その代わりウトウトした私がもう寝てしまったと思ったみたいで
「私は父親になるということを勘違いしていたので、
この子はとっても厳しく育てすぎた。
私の分まで幸せにしてやってくれ」と言ってくれた時に

‘あー、私は本当に父から愛されていたんだなぁ’と
だからこそ、自分も怖いながらも父のことを大好きだったことに気づきました。


そんな父と迎えたバージンロード。

少し小雨が降る中、ちょっとだけ足の悪い父と
緊張しながら降りた階段へ向かうその前に撮った一瞬の写真は
私にとっての宝物です。