しあわせコスメ

私は子供の頃から自分の顔、体型に自信がありませんでした。

今よりもまだまだ全然細かった子供の頃も
自分は太っているし、ブスだという悲しみから、
恋愛もできないと思っていました。

思春期の頃は、笑い声が聞こえると、
おデブな自分が笑われているんだ…と感じては
恥ずかしいのと怖いので、いたたまれない気持ちになったことを
覚えています。

二十歳の頃、夫に出会い、お付き合いを始めて
少しだけ自分に自信が持てるようになりました。
それでもやはり「自分は可愛くない」という思いは強かったと思います。
それに本当にふくよかなんですよ。正直でぶりんです。
他のブログでドレス試着の写真を拝見すると、「太い」というコメントがありますが、
みなさん全然細いです。断言します。

結婚式をやろうというとき、
私は写真も撮りたくないし、ビデオなんて絶対辞めて欲しいと思っていました。
それもこれも、自分を見直すことが嫌だったからです。
せっかく幸せな思い出になるであろう結婚式が
後から写真を見ることで否定されてしまうことがとても怖かったのです。

ただ記録として、頑張って一応写真は撮っておこうと決意しました。
しかしビデオだけは本当に嫌でした。

結婚式一ヶ月前になり、父にビデオはどうするのか聞かれ、
「撮らない予定だ」と伝えると、
ひどく叱られ、泣く泣く弟にお願いすることになりました。

ビデオは夫のプロポーズや、お友達のリアクションを見ることができたので、
結果としては撮ってもらって本当に良かったと思っています。


ヘアメイクさんもレストランに頼まず、プロの方にお願いすることにしたのも、
どうしてもきれいな花嫁さんになる自信がなかったためです。
せめてましな花嫁にして頂きたかったんです。

結婚式の終了後、なぜ私が写真やビデオを撮られるのが嫌だったかを
両親が知ったとき、母は驚き、父は泣いたそうです。
両親からすれば自慢の娘だったようですが、
まさかその娘がそんなコンプレックスを抱えていたということに
全く気づかなかったみたいです。


結婚式が終わり、私は何度も写真を見直しました。

最初は自分の欠点ばかりを見て、
あー、やっぱり自分はきれいな花嫁ではなかったのかぁ…
と落ち込む日々でしたが、
最近になってようやく、自分のルックスへの認識が変わってきました。

それというのも、私が自分のコンプレックスを周囲の人々に伝えたことで、
身近な人々から「そうではないんだよ」という肯定の言葉をもらい、
私は私でコンプレックスを表面化することで、
客観として捉えることができるようになったようです。

私はおそらくとても完璧主義の人間です。
こう書くと語弊がありますが、決して美人とは違います。
それなのに尚、本物の美人と比較して落ち込んでいたのだと思います。
どうやっても無理なのに、その隙間を埋めようと
そしてどうやっても埋まらないその隙間を見て落ち込んでいました。

（家族や夫は美人だと言ってくれますが…○○バカなのです）
しかし、私には私の魅力というものがあるのだということを、
家族と夫が結婚式をきっかけに教えてくれるようになったのです。

そのおかげか、今まで見ていた写真が全く違うように見えてくるようになりました。
嫌いだった写真も幸せに見れるようになったのです。
結婚式は練りに練ったものでしたし、
周りからも「初めて楽しい結婚式だった」といっていただけたので、
納得いくものでした。

しかし、自分自身は別物。最悪でした。
それがきれいな自分に見えるようになってきたのです。

あー、きれいになるということはこういう事なのだ…
自分の認識が自分をブスにしてしまうのだ…

と、初めて気づきました。

自分自身を受容することで、自分の顔をお気に入りに
することができるのだということに気づいたのです。

決して絶世の美女ではないけれど、
私は私の大切な人たちには愛され、魅力を感じてもらえている、
それこそが宝なのだと知ることができた、
それが私の結婚式で得たもうひとつの宝石です。