2011.4.11 USTREAMにて放映した,ジャーナリスト・岩上安身氏 VS 京都大学原子炉実験所・小出裕章氏の対談。
福島原子炉の事故の状況について、何が起きているのか、今まで話してくれた専門家たちの中で、一番、明確でわかりやすい内容ですね。これを聞くと、現状がけっして楽観できるものではない、そして、やらなくてはいけない作業を一体誰がするのか・・・と言うことが突きつけられていると思います。
このような人の命と引き換えになるような原子力発電はなくさなくてはいけないと思います。
2011.4.10 小出裕章氏VS岩上安身氏
インタビューの内容記載
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岩上 : そして二店目としては、それよりももっともっと深刻で、ある意味最悪のシナリオとも言うべき再臨界の可能性、この点についてですね、詳しくお話を伺いたいと思います。よろしくお願いします。
小出 : はい。話してもいいんですか?はい。
えー、原子炉と言うのはウランの核分裂を起こさせて、それから出てくるエネルギーを電気にするという、そういう機械システムなんですね。
でも、ウランの核分裂反応を抑えたところで、原子炉の中にすでにたまってしまっていた核分裂生成物という物質が、自分でエネルギーを出し続けますので、その熱を冷やせなければ原子力発電所は壊れてしまうと言う、もともとそういう装置なわけです。で、熱を奪いさるためには冷却と言うことが必要なのですが、水を流して水に、まあ、熱を移して冷やすということをやるわけですが、水を入れるためにはポンプが動かなければいけない。ポンプを動かすためには電気がなければいけないと言うことになるわけですが、今回の事故の場合には、電源が全て絶たれてしまったということで、原子炉を冷やす事ができなくなって壊れると言うそういう事態になっているのですね。
かなり深刻な壊れ方を既にしていまして、ウランそのものがある場所と言うのは、私達は炉心と言う言葉で呼びますが、その炉心という部分は原子炉圧力容器と私達が呼ぶ鋼鉄の容器のなかに一応収められてそこに閉じめてあるという事になっているのですが、えー、今回の事故が始まってから、原子炉圧力容器がことごとく壊れてしまっています。それは、東京電力の発表によると、下部に穴があいているイメージだというようなことを東京電力が言ったそうですけれども・・・
岩上 : 二八日未明でしたね。
小出 : はい。要するに、すでに穴があいてしまっていると。それはどこなのか私にはよくわかりません。えー、福島の原子炉というのは沸騰水型という原子炉で、圧力容器自身は厚さが16センチもあるという、とてつもない頑丈なはずの鋼鉄の容器なのです。
岩上 : 鋼鉄が16cm、はぁー
沸騰水型の場合には、その圧力釜の一番底から制御棒を入れたり、中性子を計測するためのパイプを入れたりしていますので、そういうパイプの部分はもちろん弱いのです。そういう部分に穴があいて(水が)漏れているという可能性もありますし、私がたぶんこうだろうと思っているのは、再循環系の配管というのがあるのですが、そこが折れているのではないかと私は思っている。
岩上 : 配管そのものが折れていると・・・
小出 : はい。折れているか亀裂が入っているのか分かりませんが、壊れているんだろうと私は今は推定しています。ただ、いずれにしても、原子炉圧力容器と言ってる、まあ、炉心を格納しているその容器そのもののどこかがもう既に壊れてしまっているという、そういう状態になっているわけです。壊れてしまえばそこから水が漏れてしまうわけで、漏れた行先は原子炉圧力容器を閉じ込めている原子炉格納容器というまた更に大きな容器があるのですが、その中に次から次へと水が流れ落ちていくというそういうことになっているんだろうと私は今推定しています。電源がなくなってから、とにかく水をいれなければいけないということで、東京電力も大分苦闘したと思います。最終的には、海水、まあ、真水がなかったものですから、利用できる真水がなかったので、海水を消防用のポンプ車で原子炉の中に送るという決断をしたわけですね。それを一度やってしまいますと、もう2度と原子炉を使えなくなってしまいます。でも、何が何でも冷やさなくてはいけないということでやったわけですね。でも、やっても圧力容器にすでに損傷があるわけですし、水を入れて冷やせば蒸気になってきますから、その蒸気をどこかに逃がさなくてはいけないということもあって、結局は格納容器の方に蒸気を噴き出させてそこで受けとめようとしたわけですね。しかし、格納容器の方も次から次へと蒸気が入ってきてしまいまして、設計耐圧が4気圧しかないのに8気圧にもなってしまうというような事で、結局放射能まみれの蒸気を外に捨てなければいけないという事態に追い込まれたわけです。
一部は炉心の温度が上がってしまいましたので、被覆管のジルコニウムという金属が水と反応して水素になったのですが、その水素がやはり格納容器から漏れてきて水素爆発を起こして原子炉建屋を吹き飛ばすということになったわけですね。
ですからまあ、大変な事態がどんどんどんどん悪い方向に向って進行してきたという事になっているわけです。でも原子炉を冷やすということは絶対にやらなければいけないことなので、東京電力としてはとにかく外部から水を入れるという作業を今日までずっと続けているわけですね。でもそれをやると、外部から入れた分だけの水はあふれてくると言う、まあ、仕方がないわけで、それがタービン建屋の地下と言うところに溜まっているわけですし、更にはトレンチと言っているコンクリート製の水路の中にもあふれてきている、あるいは、ピットと言うところにもあふれてきていると言うことで、海にまたその一部が流れていって汚染を広げているという状況なんですね。
ですから、これまでやってきた外からとにかく水を入れるという作業はもちろんやらなくてはいけなかったのですけれども、それをやり続けるということがものすごい困難を伴っているわけです。ですからどうすればいいかと言えば、外から入れて出すということではなくて、循環出来るような回路を作らなくてはいけないということなんですね。
それで、私は何よりもそれを回復してほしいと思い続けてきたわけで、電源が既に回復されているわけですから、ポンプを正常に動くような状態にして原子炉の中を冷やす回路を1つ作る。そして、熱が出てきて、まあ、原子炉を冷やすために水を回すわけですけれども、その水が熱くなって出てくるわけですから、その水を冷やすための熱交換器というのを用意して、そこで、その熱交換器で海水を流して熱は海へ流すという、そのとにかく二重のループを作り上げるということが絶対に必要だと思っていたわけです。
ところがさっき聞いていただいたように、原子炉圧力容器というその炉心を入れているその容器自身が、既に穴があいてしまって水が漏れているということですので、実はもうできないのです。水を回すことができなくなってしまっている、そういう状況になっているんですね。ですから、これはどうしたらいいかと思って私は悩みました。
で、今私が思っている方法、もちろんいい方法ではないし、それで乗り切れるかどうかもわかりませんけども、でもこれしかないだろうと思っている方法は1つあります。
えー、それは、原子炉圧力容器と原子炉格納容器を一体のものとして考える。でえ、原子炉圧力容器の中に水を入れますと、その水は結局、あの、格納容器にあふれてくるわけですけども、格納容器の底にはサプレッション・チェンバーという圧力抑制室というプールがあるのですが、そこに水が流れ落ちてくるはずです。その水をポンプで吸い上げて、また原子炉圧力容器の中に戻すと言うそういうループですね、大変異常なループですけど、そのループを作ってその途中に熱交換器を入れて熱を海へ回せるようにすると言う、それをなんとか作り上げると言う作業が今求められているんだと思います。
ただ、そのループを作るためには、ものすごい被爆環境で、ポンプを新しくつけるか、あるいは今あるポンプをなんとか動かすか、配管を既存のものが使えるのか、あるいは、新たに配管を取り付けなければいけないか、と言うことも含めて、大変な被爆環境で作業をしなければいけないと思いますので辛い選択ですけども、それしかないだろうと思います。
それをやるためには多分まだ、何日、何週間、あるいは月という単位が必要かもしれませんけども、えー、やってほしいと思います。
岩上 : これ、月と言う単位が必要と言うのは、その月と言うその単位の間にですね、どのような変化が起こり、そういう変化がおこったらばそういう環境が、そういう作業が出来る環境が整うというお話なんでしょうか。それとも、この今から着手したらですね、そしたらそのパイプの構築、ループの構築と言う作業が何か月かかかって終了するという意味でおっしゃっているのでしょうか。
小出 : そうです。えーと、私はその東京電力の福島原子力発電所がどんな設計というか、配管がどのようにめぐらされているかと言うことの詳細データを持っていないのです。それで、全く壊れていない、たとえば、圧力容器が壊れていないということであれば、まあ、もともと東京電力は何の苦労もなく電源を復旧してポンプさえ、その換えるとか言うことで出来ると思うのですけども、今の状態はとてつもない異常な状態になってしまっているわけで、圧力容器と格納容器をいったいのものとして考えてループを作れと私は言っているわけですけれども、そういうループを作るということが本当にできるのかどうかと言うことも含めて、とっても難しいんだと思います。ですから、それを知り尽くしている人は、東京電力福島の人たちなわけですから、彼らが知恵を絞って出来る限り被爆をしないで済むようにどういうループが作ることができるかという事の知恵を出してやってほしいわけです。でも、いかんせん、被爆環境がひどすぎるので、作業をするのにも困難が伴うでしょうし、大変だろうなと思っているわけです。(0:10:56)
福島原発の原子炉と建屋の熱画像 VS 人工地震
http://blog.livedoor.jp/whoomoi/archives/51788000.html
原発・ベクテル社・人工地震・NESARA条例
http://whoomoi.seesaa.net/article/198222062.html?1303981490
東日本大震災の予兆はあった!
http://ameblo.jp/humipine/entry-10875307195.html