鉄ねじ使いセシウム回収 大津の会社など開発
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http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20121108/CK2012110802000022.html
福島第一原発事故で放射性セシウムに汚染された土壌を、低予算で手早く除染できるシステムを、大津市の炭素製品研究開発会社大木工芸が龍谷大(京都市)と協力して開発した。今月中旬にも福島県内で実証試験し、現地の作業への導入を目指す。
新システムで使うのは、微細な穴を持ち、放射性セシウムを吸着しやすい鉱物「ゼオライト」の粉を表面に付着させた鉄ねじ。
汚染された土壌に鉄ねじを加えてかくはん。セシウムを吸着させた後、ねじを電磁石で回収する。回収したねじに三百~五百度の熱を加え、ゼオライトとねじをくっつけていた接着剤を溶かして分離させる。
ゼオライトは高温で加熱すると穴がふさがる性質があるため、九百度前後の熱を加えて穴にセシウムを閉じ込め、ゼオライトの粉のみを放射性廃棄物として保管し、ねじは再利用する。ねじを使うのは、大量生産ができ、表面積も大きいためだ。
福島県で現在進められている除染は、建物の屋根や壁の拭き取り、道路の洗浄、グラウンドや庭の表土のはぎ取りなど。特に表土のはぎ取りは回収する廃棄物の量が膨大になることから、畑や山林ではほとんど進んでおらず、いかにセシウムだけを回収して廃棄物の量を減らせるかが、除染のスピードアップを図るかぎを握る。
土壌にセシウムを吸着しやすい物質を混ぜて取り除く方法は、粉状にした多孔質の物質を投入する方式などさまざまなやり方が検討されているが、吸着後に物質をどう回収するかに課題があった。
同社は鉄にゼオライトを付着させれば磁石で回収しやすいと考え、さまざまな鉄の形状を試した結果、ゼオライトが接着できる面積の大きいねじ型が最も効率的と判断。土壌の体積に対して5~10%のねじを投入して一時間かくはんすると、土中に含まれたセシウムの60%を吸着した実験結果も出ている。
除染作業の中には、大量の水分を加えて汚染土壌を液状にし、セシウムを回収する除染方法があるが、土を元の水分量まで脱水・乾燥するのに膨大な時間とコストがかかる。同社のシステムでもセシウムを回収しやすいようにシュウ酸水溶液を投入するが、土の体積に対して数%の少量で済み、自然乾燥でも対応できるという。
龍谷大の上条栄治名誉教授(材料工学)は「現在研究が進んでいるさまざまな除染の方式の中でも経費が最も少なくて済む方式になり得る」と太鼓判を押す。
新システムは今年三月に特許申請しており、同社の大木武彦社長(67)は「土の質は処理前とあまり変わらず、作業に当たる人たちの安全も確保できるシステム。避難を余儀なくされている人たちのためにも、早く現地の作業に導入できる手続きを取り、遅れている除染作業を進めたい」と意気込む。
東京都内、近辺、福島周辺、スポットなどに是非使って欲しいです!
また、国もこのような製品の販売に援助をして低価格で提供できるようにするべきです。
液体ゼオライトだよ。放射性物質を体内から除去!