「青春について」(亀井勝一郎)…現代にも通じる青春論
今日は24時間テレビを公開中で長崎では駅前のかもめ広場がメイン会場になっています。お笑い芸人のパックンマックンが来ているので彼らだけでも見れればな~とは思っているのですが。それにしても会場周辺に空き缶やジュースのコップなどゴミだらけなのがすごく気になります。ボランティアや募金の前にお祭りみたいな部分があり、気が回っていないのかなって感じました。さて、今日紹介するのは「青春論」(亀井勝一郎・角川文庫)です。この本はすでに絶版になっている本で古本屋さんでしか手に入らないと思います。この本を読んだ理由というのが僕が好きな爆笑問題の太田光が「爆笑問題の死のサイズ」という本の中で自分の最も好きな作家として高校時代、大学時代に何度も読み、現実に何かあるたびに「ああこれが亀井さんが書いていたあのことだな」とか感じたり他の人間に薦めまくっていた本ということで探していて今回見つけたので読んでみたということになります。さて、今回の本も推薦者の絶賛にたがわずすばらしい本でした。この本が書かれたのは戦後10年もたっていない日本の復興の中にまだ混乱のあった時代なのですが、その時代の若者に対して書かれた文章が今の時代にも充分に通用しています。逆にいうとなかなか人間は進歩できないのだなって感じるものでした。マイナーな本だと思うので一文を引用します。 現在はブームの時代だ。人間でも書物でも、ちょっと人気が出る と、たちまち何々ブームと名づけられる。戦後とくにいちじるし いのは、ベストセラーズの発表方法で、一週間ごとに「今週のベ ストセラーズ」として発表される。連続何週間のベストセラーと いう広告もある。これに「ブーム」という名が与えられる。 一冊の本が「何週間」単位の生命しか与えられないというのは、 なんというなさけないことだろう。商業主義のもたらした悲劇で ある。連続二十年も三十年も読みつづけられる本もあるが、そう いう本はめだたない。そして現在では、ブーム形式によって、か なりの人が左右されているらしい。私は戦後の特徴として、これ を投機性と呼んでみたこともある。商業だけではない。敗戦国民 の不安な生活感情のあらわれではなかろうか。こういった感じで実に様々なことに対して若者に思考して欲しいことについて亀井勝一郎(かついちろう)は語っていきます。それぞれ時代背景の違いがあっても日頃考えていることを分かりやすい表現で伝えるこの本は自分にとってはよい読書になりました。 「現実的」という言葉をよく使うが「現実的」という名目で「現 実」の奴隷になってはならない。まさに至言だと思います。お薦めです。古本屋さんで探してみてください。最後まで読んでくださってありがとうございます。今日も公開が遅れてしまいました。当日中に読書を心がけもしくは読みきらない場合は他の本を紹介しますね、楽しみにしてくださっている方ごめんなさい。それでは、今日の感想があれば掲示板への書き込みしていってくださいね。「青春」についての本ならこんな本がいいですよって紹介も大歓迎です。