映画感想・『劇場版名探偵コナン から紅の恋歌』(姉編)
昨日、ようやく観てこれました!第7作目・『迷宮の十字路(クロスロード)』以来実に14作ぶりとなる、大阪の平次くん&和葉ちゃん推し映画!簡単に感想を。劇場版 名探偵コナン 第21作目『から紅(くれない)の恋歌(ラブレター)』*存分にネタバレを含んでいます。未鑑賞の方はお気をつけください!*大阪・・・競技かるたを特集する番組制作のため、テレビ局を訪れていたコナン一行と平次&和葉。そこで出会ったかるたの次期女王候補・大岡紅葉は、平次を一目観るや、「未来の旦那さん」と言って泣き出してしまった。そんな中、かるた札を添付した、テレビ局爆破の犯行予告が届く。警察判断により、大事をとって総員避難をする最中、ホントに大規模な爆発が起こってしまう。時を同じくして、競技かるたの練習中の男性が自宅で撲殺される殺人事件が起こる。二つの事件の繋がりは・・・?犯人の目的は・・・? 派手派手なビルの大爆発や、血なまぐさい殺人事件と並行して、格式高いかるた大会が行われます。突如現れた「自称・平次の婚約者」の美少女と、和葉ちゃんはかるた大会で闘うことになり、2日漬けの猛特訓を始めます。正直、平次と和葉ちゃん、コナンくん以外、他のメインキャラクターたち、全員、空気。何やってたかと言うと、全員和葉ちゃんの応援して、メキメキとかるたの才覚を発揮させ始める和葉ちゃんに「スゲー!!」って言うだけでした。今回の作品は、とにかく「ザ・服部平次の世界」だったと思います。なんかもうとにかく・・・平次くんに延々と、親友の「工藤」と「俺の嫁」自慢されてる感じ。工藤マジ頼りになる。俺と最高のチームワーク。どんな逆境にも負けん気で明るく立ち向かう、俺の嫁強い。ものすごい集中力を発揮する、俺の嫁カッコイイ。オカン(姑)にも気に入られて、更に食いにかかっていける、うちの嫁姑関係超理想的。何があってもまっすぐ一途な恋心で動く、俺の嫁超カワイイ。今回の事件は、とにかく「恋心」というものに全部集約するよう、脚本も練り込まれていて、犯行の手口だなんだ、犯人が誰だ・・・とかより何より、動機や事件を起こすきっかけとなる、「恋心」という感情を解き明かす部分が「ミステリー」だった、というような作りでした。ここを掴まないと、犯人が何をやりたいのか、次にどうするつもりなのか、全然分からない・・・という。↑この部分が、本当にグッと来るように作り込んであったんですよ。よく出来てた。犯人含めた、ゲストキャラクターの配置・人物像もすごく良かった。自称・平次の許嫁の紅葉ちゃんも、「嫌味そうな子」という印象と、一途で気使いで、ドジな部分もあって・・・と、本当に好きになれる立体感のあるキャラクターとして描写出来てた。・・・で、最終的に、これらのゲストキャラ、新キャラたちの深い恋心を、服部平次が全部吹っ飛ばすんです。「知るかボケェ!!!」って。和葉ちゃんカワイイ、和葉ちゃん強い、和葉ちゃんの集中力凄い、・・・それを全部、服部平次がかっ攫うんです。「ま、俺の嫁だからな!!!」って。本作中、とにかく服部平次はぶれなかった。平次くんというキャラクターは、たぶんですが作者や監督、脚本家の人たちの言うことすら、足蹴にしちゃうんだと思います。平次君自身の価値観で、「世界観」すら自分の気持ちのいい世界に作り変えようとしてしまうんですよ。考え方が帝王というか将軍というか・・・熱血漢で、ガンガン自分の意見を言う、超賢い男。たちが悪いんです。作品として、収めたい存在感に収まってくれないんです。登場させたが最後。完全に主役になっちゃいます。今回の映画は、平次くんを揺らす要素がたくさん登場してたんです。「自称許嫁少女」とか・・・コナンくんや蘭ちゃんは動揺して心配してたんです。そんな状況の中で、当の本人は全っっ然気にせずに、観客に向かってひたすら「嫁自慢」して来ましたからね。それでいて、最後は「いいだろ~、でもこれは俺のもんだから」って存分にアピールして、ひたすら本人の気持ちいい世界の中で大団円を迎えました。とんでもねー奴だやっぱりコイツ、と思いました。「殺すで」は・・・凄い。あのセリフは凄い。人魚の時とかけてますけど・・・たぶん、あのセリフは、脚本云々じゃなくて、平次くんが勝手にしゃべった言葉なんだと思うんですよ。和葉ちゃんのこと、完全に自分のものだと思ってるんです。それがよくよく見て取れるセリフなんです。なんですかこの上から目線。映画観終わった後、何が残ったって、このセリフ一言が残った。キッドはまだ、「コナン」ワールドでは遠慮してると思うんですけどね・・・平次くんにバランスのすべてを任せたとたん、これですからね。新一くんと蘭ちゃんの存在、完全に空気でしたから。面白かった・・・・!!いつもいつも、この作り方が出来るという映画ではありませんが、作者が平次くんと和葉ちゃんのキャラクターの強さを信頼して任せきった作りでした。この、主体的に動く二人でしかなかなか入れ込めない少女漫画的な見せ場作りで、青山剛昌先生がノッリノリだったのもよくよく伝わって来ました。服部平次は・・・怖いです。・・・えぇ、私はこのキャラクターが大好きです。by姉