少女漫画感想・『ぼくは地球と歌う 1~3巻』
最近読んだ漫画感想ーその2『ぼくは地球と歌う 1~3巻』(日渡早紀先生・別冊花とゆめ)「生死の境」を巡るドタバタから4年。小6になった小林蓮は、「地球の歌が聞こえる」ようになるなど、 日々キチェスとしての能力が高まっていた。ある日、月基地組の前に、謎の少女・ヘンルーカが現れる。蓮の前世である、モクレンの父親・ロジオンの犯した『大罪』とは?*以下、ネタバレ含む感想です。お気を付けください* 「ぼくの地球を守って」(単行本21冊)の次世代編と名付けられた、「ボクを包む月の光」が15冊刊行され、更に改題しての新シリーズです。今回のこの改題に関しては、中身を読んですごく納得!「書きたいものがあったから」だ!すごくうれしいです!出てくるモチーフが、とにかくキレてるんです!「三角の物質」モチーフ=東京タワー=富士山のトライアングル。また、3巻くらいになってから、富士山の麓に、おそらくサージャリム絡みの何者かが居ることが描写されたのですが、すごくしっくり来たんです。そっか、なんかまだよく分からないけど、だからモクレンさんは、地球を観て 「懐かしい、懐かしい」って言ってたのか!って。また、『GLOBAL GARDEN』でさんざん出てきたユグドラシル(世界樹)イメージもここに来て一気に華やいで来ました!あの作品は「記憶鮮明シリーズ」でもないはずなのですが、日渡先生の中で、なんかぐるぐるとつながってるんでしょうね。そう思うと、作品単体としてはいまいち頭に入ってきていなかった、「未来のうてな」や「宇宙(コスモ)なボクら!」といったぼく地球以降の他作品も、なにかしらで全部この「次世代編」に活きている気がします。前作の最後のあたりになって、蓮くんがモクレンの父親・ロジオンの生まれ変わりだとういうことが分かったのですが、このロジオンというキャラクターに関しては、確かに「ぼく地球」本編ではかなり謎な描かれ方をしているキャラクターでした。希少な男性体のキチェスであった上、モクレンの母(この方もキチェス)と駆け落ちで「楽園」を去り、そのうえ相当な若死に。本編が彼の謎に突っ込んでくれることで、ようやく「蓮くんが主役の物語」が始まったな~、という印象です。蓮くんの存在についてが華やいで来て、同時に日路子(カチコ)ちゃんの存在感も一気に増して来ました。3巻のラストの、感情がガツーんと前に出てくるところは、過去(前世?)と今がオーバーラップして、良くわからないけどグッと来ましたね~!ぼく地球本編みたいに、キレてる~~~!!!『ぼくは地球と歌う』!『ボクを包む月の光』は、結構だらだら~っとした印象の次世代編で、何がやりたいんだろう・・・?という空気もあったのですが、地球が歌うための準備期間だったのか、地球にキチェスやらサージャリムやらの概念が、本当の意味で回帰するための期間だったのか ・・・って感じてます。「ぼくの地球を守って」本編のファンの方で、未読の方は・・・本当に是非是非!20年以上かけて作者様の中で熟成された、極上の「輪廻転生」物語が、見れるんじゃないかと、わくわくしてます!!!by姉