暁のヨナ 第188話『追う瞳』感想(姉編)+緋龍城編のこれまでについて見解
姉の方です。今回は本誌感想書きたくなりました。暁のヨナ 第188話『追う瞳』感想(姉編)+緋龍城編のこれまでについて見解 です。とりあえず、188話に関してのつらつら感想から。*暁のヨナ33巻収録分ネタバレ含みます。未読の方はご注意下さい!*イラストby妹今回・第188話『追う瞳』については、↓こんな感想です。●ジェハさん「専属護衛いらないなんて…ハクには辛いだろ」前回のヨナ姫のセリフに言及するジェハさん。内容的には、「今更『専属護衛』を目指されても困るんだよ!」というヨナ姫のハクさんへのダメ出しなんで、伝えてもいいと思いますよ。●ヨナ姫3変化やたらと胸を強調した衣装着てますよね。本当に最近色仕掛けで突っ切ろうとしてますね、この娘。●ヒューリさん適当な名前のキャラ出てきた!顔右側の大きな傷も気になりますが、ずっと影を背負っていた左側が俄然気になります。●ヨナ姫とスウォンさんの会話ヨナ姫がハッキリ確認しないからスウォンの明確な病状は未だに闇の中ですよ…!!基本的に、私はこの2人は「性別と髪の色が違うだけの同一人物」くらいに思ってます。この2人が話し合ったたところで、何も進展しないし、何も出てこないかな、って。●ハクさんを見かけて涙ぐむが、ヒューリさんの視線を感じて逃げるヨナ姫。よし。良かった…我慢出来て。後で長々と語りますが、私はこの流れを作るためにスウォンさんの病気という要素が出てきたのかな、と思っています。緋龍城に戻って、ヨナちゃんがお姫様の地位に戻って、じっと我慢が出来るか不安だったんです。今のヨナちゃんじゃ、すぐにぴょーんってハクさんのところに行っちゃいそうじゃないですか。いや待て。せっかくここまで戻ってきたんだ!せっかくお姫様の恰好にまで戻ったんだ!自分から降りて行ってはいかん!!!我慢だ!!!…と。本当になんてオモシロい概念戦!!!!●追う瞳今回のタイトルの面白さ!第一話の「追う瞳」と、ヒューリさんの登場をかけていますが、後半のヨナ姫の視線と、そこから転じて「ハクさんがヨナ姫を追いかける」現状況までの変化を端的に表現してますね。●ヨナ姫に逃げられたハクさん逃げられましたね。見事に避けられましたね。さあ、全力で追いかけようか!!とにかく、この作品がずっと抱えていた謎が明かされる瞬間と、今まで30巻以上に渡りやって来たことが実を結ぶ瞬間が、同じタイミングでやって来るんじゃないかな、と思います。楽しみです!!!!! そしてえー…ここからは私・姉による緋龍城編(主に31巻~)の要素について見解を語り倒していこうと思います。*いつものことながら決めつけ・思い込み激しい一読者が、話回しフェチの観点で、好き勝手に語ってるだけです。ご注意下さい*緋龍城編に入ってからの話回しの要素としては、●ヨナ姫&四龍は、現政権を立てる役者として歓迎される。●ハクさんだけ入城拒絶。●武闘大会の開催→黄龍・青龍の能力を隠したいキジャさん&ジェハさんが暴れて途中中止。●ヨナ姫はスウォン陛下の婚約者!?な演出。●ハクさん、ヨナ姫の元へ行く為に、空の部族の一兵卒になって上を目指してみる。●ユンくんは、最高峰の知識の集まる場所にようやく来れた。●スウォンさんは黄龍の不死の身体に興味があるようだ。●ハクさんとグルファン邂逅。スウォンさんが目撃。●スウォンが頭痛で倒れた! →緋龍王伝説を妄信し、それをヨナ姫に転嫁している(?)イル陛下の悪夢●ミンスが医務官であることが判明。●ケイシュク参謀とジュド将軍、スウォン陛下の体調不良を口実に 戒帝国侵略を急ごうと話し合う。●ヨナ姫『スウォンの症状は、スウォン母・ヨンヒ様と同じ病…?不治の病では!?』●スウォンさんの護衛という謎の男・ヒューリさん登場●ヨナ姫『スウォンが死ぬかも、なんて事を知っている私と会ったら、仲間の命が危ない!』 →心配して来てくれたジェハさんを追い返す。 →ハクさんを見かけて逃亡。↑今、ココ。書き出すと、いっろいろ…新キャラやら、今後の示唆やら、様々なキャラクターの感情変遷やら、本当にいろいろやってますよねぇ…。ここまでの展開は、妹が花ゆめ発売時に各話感想を書いて来てくれていますが、私の見解としても、だいたい同じ感じです。この『暁のヨナ』に関して、私が記事を書くたびに全力で強調しているのが、「この作品は、『ミステリー作品』だ!」という観点です。だって、第一話が「事件」から始まってるじゃないですか。スウォンさんによる謀反劇。あれは、スウォンさんというキャラクターが、確固たる意志で実行したれっきとした「国王殺害事件」です。暁のヨナは、まずはこの『事件』の謎を解き、その事件が起こってしまった状況に向き合う物語だと思っています。で、その事件の前提として、もう一つ事件があります。第1~2話の間で概要だけ提示されていた、10年前の出来事です。10年前、イル王の先代・ジュナム王が亡くなった後、後を継いだイル王の奥さん・カシ様と、イル王の兄で空の将軍だったユホン将軍が相次いで亡くなっています。ジュナム王に関しては、病死(というか寿命)という認識でいいのかな?と思いますが、(そこに疑問を持っているキャラクターは居なさそうなので)後の2人の死去は、明らかに自然な流れのものではありません。言わば「連続皇族怪死事件」ですよ。今回の緋龍城編では、上記2つの事件の真相に迫って行くのだと思っていますが、「どっちから出すのかな…?」って思ってました。上記2つの事件は、10年間の間が空いていることからも分かるように、当然ながら、「別の事件」です。ただ、関係はあると思っています。スウォンさんの謀反劇の土壌にあるのが、10年前の事件…でしょうね。普通に考えれば。スウォンさん自身も、2話の段階ではそんなことを言っていますし。作品的に重要なのは、もちろんスウォンさんの謀反劇なわけですが、その土壌にあるもの(10年前の事件等)を出さないと、読者に対する説明にならない。読者への情報提供的には、当然「10年前の事件」→「謀反劇」の順番じゃないと、納得してもらえないと思うんです。…でも、そもそもハクヨナの興味関心が、「10年前の出来事」にいきなり行かないじゃないですか。スウォンさんの謀反劇の真意は知りたくても、その前に「じゃあ10年前の謎解きだ!」なんて遠回りに調べ始めるはずもなく、また、こんなヤバそうな出来事について、聞きもしないのに、ベラベラ簡単に説明してくれる人が居るわけもない。当然、スウォンさん本人が話すはずもない。事件の真相の説明に至るまでの話回しのハードルが、とにかく高いと思ってたんです。どうするのかな、コレ…?って。で、最近数話の本誌展開です。「やっぱり、こっちから行くんだ…!!」上記2つの事件に関しては、私(&妹)の中で、ある程度「こういうことなんだろうな」という筋立てが、もう何年も…かなり前から、あります。もちろん、漠然とした、いち読者の「深読み・予想」という次元のもので、話の展開がどうなるかとか、どういう順番に何の情報が出て来るのか、とかは全然分かりません。ただ、連載開始当初から10年この作品を追いかけていく中で、展開だとか、新しく出てくる情報だとか、含みのある言い回しだとか…大きなところが「想像とズレた」と感じたことは、これまでほとんどありませんでした。でも、ここに来て初めて、示唆される描写が想像から「ズレ」ました。1、スウォンさんの頭痛設定(特に、死に至るような重病であるという解釈)2、イル王が緋龍王を妄信している(?)描写の2点です。大々的に描かれた描写の中で、この2点だけは、私の今までの認識と大きくかけ離れていました。まず、「暁のヨナ」の中でのスウォンさんというキャラクターの役割として、「もともと実は重病である」という設定の必要性は感じません。*あくまで私は!です!*このキャラクターの起こした謀反劇の原因に、「自分の先が短いから」があるとは全く想像していませんでしたし、今でも、「この要素は必要ない」と思っています。この描写に関しては、本当に話回しのために出てきた要素だな、というのが今のところの私の受け取り方です。●まず、スウォンさんの謀反の土壌となっているであろう 「10年前の出来事」について突っ込んでいく流れを作るため。●ヨナ姫を、「姫」の立場で大人しく待たせる&黙らせておくため。●スウォンさんが平常時に自身の思いを吐露するはずがなく、 そこを無理やり崩すため。(「スウォンさんが苦しんでいる」絵面も、分かりやすく作れるし。)…このあたりを一手に担うのが、この重病(?)設定だと今のところは解釈しています。どれも、すごく難しく高いハードルなのですが、よくこれだけ最低限の設定・描写で回しますよね。すごいです。もう1点、イル王の描写ですが、これは本当に酷いと思っています。草凪先生のサドっぷりが。私的には、「引っ掛け以外の何物でもない」という認識です。この、「緋龍王とヨナ姫の関係」についてイル王がどう思っていたのか、描写自体は、25巻にスウォンさんの回想として突然登場しました。今回の頭痛で倒れたスウォンさんの夢(?)や、27巻のヨナ姫の回想も含めて、↓下記2点のベクトルが描写されています。●イル王が、「ヨナ姫は緋龍王の生まれ変わり」をやたらと強調する。●イル王が、スウォンさんと緋龍王との関係をやたらと否定・拒絶する。これらから素直に読み取ろうとすると、「イル王は建国神話に対する信仰心が非常に厚い人で、ヨナ姫が緋龍王の生まれ変わりだと信じてて、だからスウォンさんを絶対に王にしたくなかった」ように解釈できなくもない。↑このイル王像は、私(&妹)の認識していた「暁のヨナ」として、…いやありえないよね。そんな人じゃなかったよね。という描写でした。これは…10年前の話をしている時に、スウォンさんの謀反の真意についてバレたくないから仕掛けた完全なるフェイントかなぁ、と今の所…私はそう思ってます。ーというわけで、グダグダと自分勝手な解釈を書き連ねてきましたが、とにかく、「スウォンさんの頭痛」と「緋龍王を妄信するイル王像」については、緋龍城編の話回しを構想する段階で登場した、後付け設定だと思ってます。要素として重要じゃないわけじゃないんですが、作品の出だし段階で設定されていたものではない。…あくまで、私の思い描いていた筋書きが正しければ!です。え~話がどんどん脱線してしまってますが…草凪みずほ先生の作品は、とにかく「出だし」!!キャラクターにしても、登場時に与えたい印象が一番注目どころだと思っています。暁のヨナにおいても、新キャラクターが登場して来る際には、だいたい本人が「私・僕はこういうキャラクターです!」って強調しながら出てきます。例外もあると思いますが、主要キャラ以外のキャラクターに関しては、この登場時の印象が、そのまま「このキャラクターの役割」です。でも主要キャラに関しては、逆。登場して来た時に強調してきた人物像や人間関係が、「そのキャラクターが乗り越えるべきハードル」だと思っています。ヨナ姫とか分かりやすいと思いますが、「何も出来ない、わがままなお姫様です!」って強調して登場しておいて、本編は、そこからの変化を見せていく物語なんです。キジャさんも分かりやすくって。「四龍が血をつなぐこと」「王に絶対忠誠!それが幸せ!」を強調してましたが、もう1点、本当に出だしの出だしで要素として出てきてたものがあります。「見合いを断りまくってる」要素です。キジャさんの父親とのエピソードが出てくる中で、この見合い要素こそが、このキャラクターの物語としての大きなハードルだと受け取っています。「女性が積極的過ぎて怖い」と言ってますが、本当は違うでしょ。もし自分の子供が生まれたときに、次代の白龍だったら父親と同じことしそうで、全肯定したいはずの運命を呪いそうで、それが怖いんでしょ。ゼノさんも分かりやすい。わざわざ、「命あるもの いつかは等しく天に帰る」って言いながら登場しましたからね。もし、スウォンさんの重病設定がキャラクターの根幹に関わるような設定なのであれば、まずスウォンさんは「俺は超健康優良児です!」っていう筋肉ムキムキなキャラで登場してると思うんですよね。イル王については、どこかの感想でも書いたことがあるのですが、私の中のイル王像としては、非常に「リアリスト」の印象があります。「今ある手持ちのツールで、実現可能な道を模索できる人」。あとは、「ちゃんと実行する人」。作中の他のキャラクターたちがあまり良い評価をしていませんし、最近は読者さまに嫌われてしまいそうな描写も多いですが…周囲の反対を押し切って、断固として平和主義を唱える王様を、現代日本の感覚では、「弱い王」とは言いませんよ。長く続く国の、ねじれた部分…歪みを一手に背負ってしまった、本当に大変な立場に立ってしまったなかで、なんとか理想とする国の形を作ろうともがいた人物だと思っています。作品にとって、本当に重要なキャラクターです。このキャラクターがやろうとしていたことに、読者が共感できないようになんて、作ってあるわけがないと思っています。全然、今回についての感想じゃなくなりました。いつものことですが、一生懸命書こうとすればするほど話が脱線していって…感想書くの苦手過ぎて嫌になります;;;by姉・イラスト by妹