音楽語りーその276・♪ボン・デ・フェスタ、秋の葉の原っぱで、いのちのよろこび byでんぱ組.inc +アルバム『愛が地球救うんさ!だってでんぱ組.incはファミリーでしょ』感想
音楽語りーその276・♪ボン・デ・フェスタ、秋の葉の原っぱで、いのちのよろこびbyでんぱ組.inc+アルバム『愛が地球救うんさ!だってでんぱ組.incはファミリーでしょ』感想以前、3枚組のベスト盤を購入していたでんぱ組.incの4月15日発売の新アルバム・『愛が地球救うんさ!だってでんぱ組.incはファミリーでしょ』を購入しました!大ファンの清竜人さんの提供曲が4楽曲収録されていることもあるのですが、それ以外の最近の楽曲も、シングル楽曲をはじめ、YoutubeでMVをチェックする限り、本当に…良い。しみじみと、良い。オモシロい。これは、アルバムをまるまる購入してもきっと楽しめるだろうな!と思い、発売日にダウンロードしました。…。超良い…。すごい元気が出る…。買って良かった…。。→一週間以上エンドレスリピート。本アルバムは、コンセプトが本当にしっかりしていて、また個々の楽曲も、興味深い独特な方向性を持っています。全体を串刺す「ファミリー・家族」というオーソドックスなモチーフがばっちりあったうえで、個々の楽曲は、それを少しひねった視点から語っている…というか。お盆モチーフでご先祖様の話をしていたり、メンバーの結婚を思いっきり前面に押し出して来てたり、最終的には、太陽・月・空・大地の恵みにまるごと感謝し出したり…「ファミリー」の定義がどんどん拡大解釈されていくような感覚に陥ります。また、サウンドに関しても電子音のバリバリ「電波!」な楽曲があったと思ったら、新鋭アーティストさまを起用した、オシャレでかみ砕きづらい、でも他にない楽曲があったり、アコースティック基調のバラードもあり、ワールドミュージック基調もあり…本当に楽しい!コンテンツが良い…!!「なんでこんななめたつくりで、聴く人が楽しめると思ったんだろう?」みたいなのが、一切ない!ノーストレス!!素晴らしい…!!以下、各楽曲の感想。♪01.ファミリーワールド編曲:村カワ基成オープニングイントロ。基本的に、ラストソングの♪いのちのよろこび から、2曲目の♪愛が地球救うんさ!~への繋ぎを意識したつくりになっていると思います。02.愛が地球救うんさ!だってでんぱ組.incはファミリーでしょ作詞:前山田健一 作曲・編曲:浅野尚志今アルバムのコンセプトを、いかにもな「電波ソング」にして詰め込んであるアルバムリード曲。きれいごとって言うけど、そうよ綺麗なの!↑このくだりが気に入ってます。03.子・丑・寅・卯・辰・巳・作詞・作曲・編曲:清 竜人本当は、「・」の部分は、すべてハートマークです。清竜人さんが、すごく頑張って「でんぱ組」っぽい曲をと思って作った楽曲、という印象。この楽曲自体、質が悪いわけではないし、全然悪くないのですが、いまいちやりたいことが明確でないというか…しっくり来ていなくて。初見から、この楽曲より、カップリング扱いだった♪秋の葉の原っぱで の方が断然意欲作だよなぁ、と感じていたのですが、やはりどうも、最初に♪秋の葉の原っぱで を出していて、若干ボツになったような形で、こちらの♪子・丑・寅~を再提出していた(?)ようで。その流れを聞いて、すごく納得しました。04.もしもし、インターネット作詞・作曲:諭吉佳作/men 編曲:諭吉佳作/men, 釣 俊輔先行でMVが公開されていた楽曲でした。MVで観たときは、なかなか掴みづらい、新鋭音楽だと思いましたが、アルバムの流れで聴くと、しっくり…するっと聴けてしまいました。インターネット上のコミュニケーションにおける虚無感と、その中で生きていく世代の感情が形になっているのかな?アルバムで聴いて映える楽曲でした。05.生でんぱ作詞:岩下優介 作曲・編曲:ニガミ17才こちらも、掴みづらい系の楽曲かな?♪もしもし、インターネットからの流れで、若干「自嘲」や「かったるさ」を感じる楽曲が続いている印象です。ただ、調子はすごくいいので、さらっと聴けます。06.星降る引きこもりの夜作詞・作曲:の子 編曲:浅野尚志引きこもりという題材ですが、楽曲自体はとてもキャッチーで聴きやすいです。引きこもり…でも、自分のペースでいいじゃん!大丈夫、なんとかなっちゃうよ!…というエールを含んだ内容なのですが、今の情勢で聴くと、また違った聴こえ方がしますね。楽観的な言葉にグッと来ます。07.ボン・デ・フェスタ作詞:只野菜摘 作曲・編曲:Tom-H@ck配信限定のシングル楽曲だったのかな?こちらの楽曲のMVをYoutubeで観て…何回も何回も繰り返し観て…気づいたらアルバムを購入していました。コンセプトや映像モチーフ、サウンドクオリティ…どれをとっても素晴らしいです!「ボン・デ・フェスタ」…お盆モチーフを、フランス?イタリア?な語感で彩り、電子音サウンドで魅せていく楽曲です。MV映像は、竜宮城モチーフです。浮世絵モチーフも登場します。欲張ったモチーフ群が、明るく切なく、きれいに収まっていまして、とにかく楽しいです。サウンドもオシャレで面白いし、メンバー個々の声も立ってるし…これは…本当に良い!ご先祖様に思いをはせるお盆イメージやお祭り感は、ディズニー映画の「リメンバー・ミー」って感じでした。08.桜が咲く頃に作詞・作曲・編曲:Kai Takahashi(LUCKY TAPES)しっとりソング。暗めなラップ調が続いた先にあるサビで、桜がふわ~っと咲いた、春独特の空気感が広がっています。メロディーもせつなくて、いい曲だと思います。09.形而上学的、魔法作詞・作曲:諭吉佳作/men 編曲:KanadeYUK♪もしもし、インターネットと同じ諭吉佳作/menさんの楽曲ですね。こちらも、かなり独特な世界観の節回しや語感が登場しますが、きちんと入って来る単語というか、感情があります。オモシロい楽曲だと思います。10.私のことを愛してくれた沢山の人達へ作詞・作曲・編曲:清 竜人でんぱ組.incのセンターポジションを務めている、古川未鈴さんが、「斉木楠雄のΨ難」などの作者・漫画家の麻生周一さんとの結婚を発表した際の結婚報告ソングだそうです。今回のアルバムコンセプト・「家族」も、間違いなくこの出来事を反映させていると思います。アイドルとしてのグループ活動は継続する!とのことで、ご本人の意志も、それを全面バックアップする活動主体も、とてもいいな、と思って観ました。私は、男性・女性ともに、アイドルの結婚や恋愛は、生活もバランスもある一人の人間だもん!全然いいじゃん!と思っておりますので、女性アイドルも、これからどんどん結婚しても続けてくれる方が増えて欲しいな、と個人的には思っております。11.結婚してもMAMAになっても君は永遠にぼくのIDOL・作詞・作曲・編曲:清 竜人前曲からの繋ぎでこう来たか…!という楽曲。タイトル観た瞬間から分かってましたが、清竜人節大爆発な1曲。軽快なテンポがくせになります。ここまではっきりドストレートに「ファンの理想像」が提示されていることに対して、実際のコアなファンの方たちがどう思うのか…「やり過ぎ」と思う方も居るかもしれませんが、私はもう、運営・音楽制作主体の意志・方向性として、揺るぎないものを感じて、とても好印象でした。形にしておくことが、大事ですよね。12.アイノカタチ作詞・作曲・編曲:玉屋2060%「様々なアイノカタチがある!」とものすごいテンションで叫んでいる楽曲です。2曲目の♪愛が地球救うんさ!~と同様、本アルバムコンセプトに乗っ取ったドストレートな楽曲だと思います。隣にいる人は泣いてますか? それとも笑ってますか?という出だしが素敵だと思いました。13.秋の葉の原っぱで作詞・作曲・編曲:清 竜人清竜人さんの本アルバム内の提供曲4曲の中では、ダントツでお気に入りの1曲です。ピアノソロに弦楽器を重ねてくる、超アコースティック楽曲ですが、1音1音が本当に綺麗なんですよ…!!ピアノの入り方も気持ちいいし、和音も本当にきれいだし・・・。なんか、岡崎律子さんっぽさも感じて驚きました。これ、清竜人さんご本人の編曲なんですね・・・凄いですね。このワークス以降、清竜人さんは編曲だけの仕事もする等、かなり編曲ワークスに力を入れた仕事をされている印象でした。いいですね!もっとやって欲しいです。余談ですが、提供先は違いますが、この♪秋の葉の原っぱで と、声優の堀江由衣さんのアルバムへの提供曲・♪春夏秋冬 は、私の中ではセットのような2楽曲として捉えています。清竜人さんの抱く「アイドル像」ってこうなのかな、とエゴを感じて、とても好きな2楽曲です。14.いのちのよろこび作詞・作曲・編曲:玉屋2060%アルバムのラストを飾るのは、生きとし生けるものすべてに感謝を捧ぐ、規模の大きなお祭りソングです。♪サクラあっぱれーしょん と同じ、玉屋2060%さんの提供曲ですが、これが…本当に良いんですよ。ワールドミュージック調の、なんちゃって原始人っぽいイメージ?が挿入され、ライブ映像を観ましたが、会場全体でファイヤーダンスを踊っているような雰囲気になっていました。韻を踏んだ歌詞も調子が良く、規模の大きなことをさらっと言っているのに妙に説得力を持って聴こえたりします。それにしても、新しいメンバーの子たちも含めて、本当に声質が良く立つなぁ…素晴らしい。特に、やはり黄色の娘の甲高い声質の活かし方は、他にないなぁ…!と思っていたら、黄色の娘って、2月まで放送していたプリキュアの、主役の声優さん演ってたんですか!!?(知らなかった)凄い…。いや、本当に特徴的な声質だし、それをちゃんとコントロールして歌唱に落とし込める、器用な方だなぁ…と思って聴いてはいましたが、こんな凄い仕事やってた方だったとは。アルバムラストで、この突き抜けっぷりが本当に癖になりまして、気づくと、最初からまた流し聴きを始めてしまっています。いやぁ…これはいい買い物をしました!2020年初の香取慎吾ソロアルバム「20200101」もですが、購入したアルバムが、期待をはるかに上回る出来栄えで、幸せです!もちろん期待をしていたから購入したのですが、それにしても、びっくりするくらい質がイイ・・・。このアルバムも、本当にそういう感じです。今回のアルバムを聴いていて、コンテンツのつくり方…コンセプト立てとか、「でんぱ組って、すごくSMAPっぽい主体だな」と感じました。2020年…こんな異常事態になっちゃって、この先マジでどうなるのか…どうしようもない不安の中で過ごしておりますが、そんな中でも、こうした不変の自家発電力を持つエンターテイメント出逢えて、パワーをいただけて、幸せです!!すっかりファンになってしまったでんぱ組。音源メインになると思いますが、過去作も漁っていきたいと思います。by姉