暁のヨナ 35巻感想-その2(姉編)
数日前に、コミックス感想と称して記事を書きましたが、相変わらず内容・シーンについて言及できずに終わりましたので、各シーンやキャラクターについての、だらだら追記記事です。暁のヨナ 35巻感想-その2(姉編)※以下、最新巻のネタバレあり感想です。未読の方は、お気をつけください!*◆表紙!見応えのある、しっかり四龍!32巻から、コミックスの表紙が、非常に意識的に奥行が描き込まれたイラストになっていますね。アナログイラストでこれほどの描き込みって…ものっすっごく…時間がかかってると思うんですよ。ガチンコの塗り込みなので…◆ヨナ姫南戒の使者団に、怖いものなしな態度で臨むヨナ姫。…「強くなった」という言い方ももちろんできますが、うん…とにかく、この娘は、「ハク様以外のものが、本当にどうでもいい」んだな、と思っています。どうでもいい連中に、良く思われる必要もないので、こうも強気でいけるし、どんな嫌みを言われたとて、痛くも痒くもない。このスタンスを貫くのは、パワーも要ると思いますけどね。◆ランタン殿たった1話しかまともに登場しない、これほど「役割だけ」のキャラクターの表情が、ちゃんと筋が通ってて、伝わってくる。端役に至るまで、キャラクターの筋の通し方が、これほど上手い作家はいません。草凪先生のキャラクターづくりの上手さは、神の領域にあると思います。◆スウォン様とヨナ姫スウォン様とヨナ姫のやりとりがオモシロいですね~!スウォン様の、「昔はあんなに可愛かったのにな」(←お前が言うな)と、「まぁ、自分の血縁だし仕方ないか」(←納得という名の諦め)が混ざってる感じ。本当に似た者同士というか…私は、この2人のキャラクターは、性別と髪の色がちょっと違うだけの、同一キャラクターだと思っています。立場ある生まれのキャラクターたちなので、性別の違いが本当に重くて、比較して考えるとオモシロいんですよ。200話で、(よろめいたスウォン様につまづいて)階段から落ちそうになったヨナ姫を、スウォン様が助けようとするシーン、もう一つ、204話で、スウォン様が強い口調で、ヨナ姫と緋龍王(伝説)との関係を否定するシーンの2つがハイライトです!↑ここ大事!◆「大丈夫ですか」ここの、ハク様の表情を映さない描き方が、漫画の妙!好きです。ハク様は、この言葉は、ヨナ姫に言っている風にしながら、本当はスウォン様に対して言ったんだと思ってます。◆スウォン様の体調不良を察したハク様ヒューリさんとケイシュク参謀の慌てふためき方を見て、スウォン様の病状がかなり深刻なものであることを認識するハク様。その後のヨナ姫との獄中シーンで、しれっとした表情をしながら、かなりテンション高めな発言を繰り出してきていましたが、これは相当、動揺しているのだと思って観ました。◆ヨナ姫とハク様ケイシュク参謀を威嚇して、追い払った後。ヨナ姫が泣き出すことも出来ず、その場に座り込んでしまったところが印象的でした。城に戻ってきてから…孤独と不安と緊張の連続で、その上、ハク様が命の危機に瀕しかけたわけですから…。また、このヨナ姫の様子を見て、一息ついた後に、一気に「柔らかい」表情を作るハク様が印象的でした。「やばいな、心配させちゃったな」って思ったんだと思うんですが、牢獄の中の奴にこんな表情を向けられたら、なんとも言えないというか…。「ああぁああああああああ!!!」ってなります。だからだぞっ…お前…「だから」だぞっっ!!!ってなります。◆「そんなに俺を守ろうとしなくていいよ」本誌掲載時から、ハク様の表情が描き直してありました。私は、実は本誌の時の表情が好きだったんですが…まぁ、次の回への繋ぎを考えると、描き直し後の方がいいような気もしますが…でも、個人的には、本誌の時の微妙~~な表情、好きだったんですよ…。◆メイニャン要素の鴨ネギキャラ。このキャラクターの登場により、緋龍城に入り、読者層が感じていた「作品のクライマックス感」の雲行きが、かなり怪しくなりました。えぇっ…ここでまさかの新キャラ!!?これでも、草凪先生的にはものすごく巻いてるんだと思うんですよ。流石にこのメイニャンというキャラクター、「設定欲張り過ぎ」ですもん。今巻、通常版のコミックス帯に、思いっきり「新章突入!」と書いてありました。「南戒編」…という名称になるのかは知りませんが、内容としては「南戒」と高華国間の不調・不和に対し、なんらかの進展があるのだと思います。メイニャンさんは、この南戒との関係の中で、ダイレクトにトップオブトップたちに人脈を作れる切り札として、「皇帝愛妾」、そして「元将軍」という要素を持ち合わせています。更に、動機付けの面で、千樹草(地の部族領・阿波の都)と、南戒を一本筋で串刺し、更に更に、ヨンヒ過去編を補完(再定義)していく役割としても機能させようという…よくもまぁ、これほど働けるよな、ってくらいに働くキャラクターなんじゃないかと思っています。無茶苦茶無理してはいますが…このキャラクターが、一人格として、ちゃんとしゃべりますからね。本記事2回目になりますが、草凪みずほ先生のキャラクターづくりの上手さは、本当に神の領域です。◆緋龍城編新章突入! はいいのですが、とりあえず、緋龍城編~ヨンヒの追想編は、一区切り…ということかな?一区切りというか、スウォン様の病気、過去編について、「描写するだけは描写した」、という状態かと。何ひとつ、「謎」についての説明はしておらず、何ひとつ、明かされてもいません。まさかこんな状態のまま、新章に突入すると思わないじゃん…!!いや、描写はしっかりしてましたので、種まきをしっかりしっかりしたんだなぁ…とは思うのですが。うん。イメージ的には…最初の3巻で一文無しになって、そこから7巻くらいかけて、新しく暮らしていける土地探して、そこから15巻くらいかけて、畑を耕して、そこから15巻くらいかけて、種まきする感じかな?…うん。そろそろ、収穫が見たいです。「収穫の日は近い」と思い続けて、かれこれ6~7年経ちました。この作品に付き合うには、時間・根気・覚悟 が必要です。頑張ります。by姉