暁のヨナ38巻 感想(姉編)
言いたいことは本誌感想で既に書いているので、ものすごく簡単に。暁のヨナ38巻 感想(姉編)37巻から、戦続きですね。今巻・38巻も南戒との戦がガッツリ描かれていました。個人的な注目どころ↓・37・38巻連動の、表紙のハクヨナ!37巻の表紙も、思ったよりも疲労を蓄積して、思考力の削いだハク様だな、とわりと驚いていたのですが、38巻の表紙のヨナ姫も、思ったよりも「あぁん?」と目力のあるヨナ姫で、これまた驚きました。最近、よく思うのですが、長寿漫画作品で、設定上は主人公たちの年齢が上がらずにずっと続いてる作品に関して、でも、やっぱり…描いてる作家も、読んでる読者も、何より、作品の中でずっと一生懸命闘ったり、生活してたりするキャラクターたちも、みんな年月を蓄積していってるな…と思います。ヨナも然りで。設定上の年齢が上がらないことで、連載が10年20年を経ても、キャラクターたちの未来への可能性が、可能性のまま在り続けるところはザ・ファンタジーというか、ザ・フィクションなのですが、でも、感情とともに、年月は積み重ねているなぁ、と。要は今回の2人の表情見て、「社会人(サラリーマンとOL)の風格あるな」と思いました。・四龍の活躍!4人ともにそれぞれ魅せ場があったのが嬉しかったです。特に、シンア君がずっと、自身の能力を活かしてなんとかハク様を探そうとしていたところがグッと来ました。・グンテ将軍ようやく、このキャラクターの発言で、否定の気持ちなく素直に受け取れるものが出て来たなぁ…丸くなったなぁ…と思いました。私は、グンテ将軍とジュド将軍の2人のキャラクターの作り込みに関しては、少女漫画作品としては類を見ない部分で作り込まれており、語りがいがあると思っています。・トップ陣が目視できるところに来るまで、南戒大軍勢の動きも、高華国本軍の動きも把握できない高華国軍(ジュド将軍)いや、暁のヨナの戦描写に関しては…常々、目を細めて鑑賞しているのですが…流石にちょっと…そろそろ仕事しろよトップ陣&参謀と思いました。それにしても、暁のヨナワールドの武闘派たちは、石投げが好きですね…。・冷静に盤上を見ようとするけど、箱が捨てきれないスウォン様スウォン様というキャラクターについては、作品冒頭から、あまりに「人物像」が出来上がり過ぎている…というか、ちょっとやそっとじゃ崩すことが不可能なほどに、「感情」から作り過ぎてるというか。このキャラクターが動くところから物語が始まっていますので。とにかく、設定のすべてにおいて、その「感情・動機」のために構築してあるキャラクターだと思っています。…「個人感情」です。基本的に、この作品の根幹にあるスウォン様の動機については、歯に衣着せぬ出し方をした際には、読者の相当数に、「そんなことで」と言われるものである、と私&妹の間では予想しています。特に、少女漫画文化から遠い感性の読者であるほど…「暁のヨナ」に関して「大河性」を求めている方ですとか、あとは、海外の方ですとか…。私は、基本的に白泉社少女漫画脳の読者ですので、元々描こうとしていたスウォン様像(動機)…かなりエゴイスティックで個人的な感情に帰結するものだと思っていますが、その繊細に作り込んだ「個人感情」を壮大なドラマの核心に据えることこそ、まさしく「少女漫画」の作りの真骨頂であり、本作品の一番の魅力だと思っています。ただ、この作り込みの凄さが通じるのは、やはり「少女漫画」の作りに慣れ親しんだ読者…「だけ」とは言いませんが、現状のヨナ読者層の全員に通じる感性ではないと思っています。アニメ化後、作品の(読者範囲の)規模拡大を考慮し、草凪先生の方で、スウォン様の描き方についてはかなり配慮…というか、言ってしまうとかなりの設定変更・後付け設定を付け加えて、読者の期待するスウォン様像(動機)と、ギャップの少ないように描写しようと、そこに相当苦心されているな、と感じています。過去編における、イル王の「信仰心の厚い」描写ですとか、あとは、「緋の病」設定とかですね。正直、草凪先生が今後、どこまで変更を加えた形で、この部分を描こうとされているのか、匙加減をどうするのか、という部分は、出て来たものを見て、「なるほど」と納得していくしかないな、と思っています。38巻の描写を見て、「今後、この部分がどんな描写になったとしても、仕方がないな」と覚悟しました。「動機」の核心の核心にある「個人感情」については、「描かない」という選択肢はないだろうとは思ってはいますが…。・ハク様、南戒軍の中から高華国軍を援護だから、こいつは一体何者なんでしょう…。妹が、大昔のヨナ語り記事で、「実体が掴めない」という意を込めて、「カメレオン」と記していたような気がしますが…こいつは何者なんでしょうかね…。本誌展開(39巻収録)もなかなか怒涛な展開が続いています。コミック40巻到達間近…今後も、草凪先生の(自身で仕掛けたものに対する)闘いを見守っていきたいと思います。by姉