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テーマ:本のある暮らし(3315)
カテゴリ:本
●読んだ本●
「クロニクル 千年の闇1 オオカミ族の少年」 ミシェル・ペイヴァー著 評論社 さくま ゆみこ=訳 酒井駒子=画 ■あらすじ 今から6000年前の、 ヨーロッパ北西部に広がる森の中で 父と二人だけで暮らしていた オオカミ族の12歳の少年トラクは 凶暴化したクマに襲われて 瀕死の重傷を負った父に 「〈天地万物の精霊〉が宿る北の山に向かえ。 〈案内役〉が・・・おまえを見つける」 事を誓わされた。 父が命懸けで守ったくれた 自分の命を懸けて 北の山を目指して 孤独と闘いながら クマに怯えつつ 森を歩いて行くトラク。 トラクの前に現れる子オオカミ。 森で暮らす様々な種族達。 邪悪なクマは森の生き物を殺して行き、 森と人間を死に向かわせて行く。 厳しい現実に向かい合い 父との約束と、 森と人間のために闘い続ける 12歳のトラクと子オオカミのウルフの 冒険に満ちた話。 ■感想 この話を書いたミシェル・ペイヴァーは オクスフォード大学で生化学の学位を取得した後、 弁護士をしながら、 神話、民俗学、考古学の書物を読み漁り、 アイスランドやノルウェーを旅しては 物語の構想を練り上げて行った。 ペイヴァーは 考古学や先住民族の実際の知恵を学び 自ら森の生活を経験したせいか トラクの世界はとても重厚で 森の匂いがして来るようだった。 他の種族達と交流を持たず、 父親とたった二人で 森で生きていたトラク。 森で生きる知恵を身に付けていたとは言え 守ってくれていた父を失い これから教えてもらうはずだった知恵を失い、 ただただ父との誓いを守るために 誰も見つけた事のない北の山に たった一人で向かう12歳の少年。 この状況で すぐにトラクを応援したくなり 危険に満ちたトラクの行く道を ハラハラドキドキしながら とても気高い気持ちのトラクの生き方に 感銘を受けた。 児童書として書いてあるが 太古の森の描写や トラクやウルフやレンとの 微妙で変化のある関係や 他部族とのやり取りなど とても緊迫感に満ちていて 面白かった。 流石にイギリスの児童書は クオリティが高いと思った。 シリーズ物で二作目もあるようなので 是非読みたいと思った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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