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カテゴリ:コミック
●今日読んだコミック●
「少年少女学級団」藤村真理 集英社 ■あらすじ 小学5年生の少女・中山遥は 少年野球チームでピッチャーとして活躍していたが、 引越した先で転入したクラスは 男女が分裂している険悪な仲で、 その勢力争いの中に 否応無く巻き込まれた。 男子のリーダー格の渡と ケンカをした事から 渡の兄の健と知り合い、 遥の野球への思いは迷いを払い 前へ前へと向かい出した。 日常の中に潜む厳しい現実と 純粋な心が紡ぎ出す優しさと 恐れを知らないひたむきさが とても素適な物語だ。 ■感想 こんな風にネタバレにならないように あらすじを書くと 少女のスポコン漫画のように聞こえるが、 今の小学校内の陰湿ないじめや 子供同士の些細なやり取りや 表現不足によるすれ違いや コミュニケーション不足による誤解など 生活の中のあらゆる要素が詰められている 少女漫画の中でも内容の濃い優れた作品だと思う。 辛らつな部分や厳しい部分があるが 無邪気だった子供時代を思い出したり 幼さゆえに自覚出来なかったり、 表現を知らなかったりした 子供時代を思い出したりした。 そしてそれは 今も大して変わっていないのだと思った。 中でも 正直で純粋で疑う事を知らない遥が 少しずつ成長して行く様子や、 健兄の思いやり深い接し方に 感銘を受けた。 高校生の健兄は 遥と話す時に しゃがんで 遥と同じ目線になって話をする。 遥の傷ついた苦しい思いに まずは共感して、 遥の意固地になった気持ちを 解きほぐしてから、 何をどうすべきだったのかを 伝えてあげる。 健兄は 黙って遥の大事な物を探してあげる。 カッコイイし、優しいし、 思いやりが深くて 痛みも抱えているから 気持ちが深くてすごいお兄ちゃんだ。 理想のお兄ちゃんナンバー1に 選ばれる事間違い無しっ!! どの子供達も それぞれの思いや状況を持ち それぞれの気持ちで生きている事が よおく伝わって来る秀逸な作品だ。 この漫画は、 2年前の4月に母の胆嚢癌が発覚して 月の半分以上を 実家に一人で泊まって 母の看病をした苦しい日々に 夜の気分転換に買った 別冊マーガレットに連載されていたものだった。 母の家なのに 母も誰もいない家の中で 病院から持ち帰った悲しみが 余りにも大きくて辛くて 夜の闇に飲まれそうになった時、 別マを読んだ。 すると 少女達の新鮮な思いの中で 一緒に生きられて 2時間だけは すっかり母の事を忘れられたものだった。 漫画にはとても助けられた。 先が永くない認知症の母との交流は 私の気持ちを痛めつけた。 そんな時に読んだ遥達の物語は とても力強かった。 恋の話中心の別マの中でも 子供も高校生も大人も出て来て しっかり基礎を固めて描いてある 珍しい漫画だった。 とても楽しみにして 今も時々読んでいるのだが、 中古のコミック本を ピーが見つけてくれたので 喜んで買って読んだ。 私が当時 「面白い漫画があってね、 小学生の心のやり取りが中心なんだけど 今時の小学生の内情がリアルに描かれていて、 すごく素適なお兄ちゃんが出てくるんだよ。 こんなバランスの取れた人になりたい! って思うようなお兄ちゃんで、 しかもイケメンなんだよ」 と何度か言っても 「ふ~~ん」 と興味を示さなかったピーが このコミックを読んで 「お母さんが、 健兄がすごいって言ってた意味が解った! すげえ芯がしっかりしたヤツで 優しくて、 言う事は言って、 カッコイイ!!」 と興奮していたピー。 ふっふっふっふっ。。。。。 キミも健兄の素適さに ついに目覚めたのだね♪ 今、 小学6年になった遥達が 成長期に伴った 複雑な心境を抱き始めて 心も関係も泥沼化している。 いやこの漫画は元々 日常生活の中にある泥沼を 普通の事として見逃さないで描いている 秀逸な漫画だと思う。 2巻以降を見つけたら 絶対買う(`・ω・´)! 貧乏だから 新刊は買えないんだけど(^^ゞ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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