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テーマ:本のある暮らし(3315)
カテゴリ:本
●読んだ本●
「天使の帰郷」キャロル・オコンネル著 務台夏子=訳 創元推理文庫
■あらすじ■(抜粋) これは確かにマロリーだ! 墓地に立つ天使像の顔を見て 驚くチャールズ。 カルト教団の教祖殺害と、 自閉症の青年への暴行の容疑で 勾留されたマロリー。 なぜ彼女は 誰にも一言も告げずにニューヨークを去り、 ルイジアナの小さな町に帰郷したのか? そこで17年前に何が起きたのか? いま、時に埋もれた罪を裁くために 天使が降臨する。 無類のヒロインの活躍を描く シリーズ第4弾! ■感想■ 地元の図書館で、 キャロル・オコンネルの本ですぐに借りれたのが この本だったので 裏にあったあらすじも読まずに 読み始めた私は これがシリーズものの4作目だなんて 知らないで読んでしまったから 時々混乱しつつ疑問符が多かったのだが 最初から知らなくても十分に楽しめた。 何しろ主人公のマロリーが強烈な女性で、 他にも強烈で魅力的な女性が沢山出て来る。 男性も 一癖二癖もある怪しい人が 沢山出て来るのだが、 読み終わってみると 女性陣の強さがずっしり残っている。 チャールズの誠実さやお人よしで すぐに人に騙されたり 嘘がつけなかったり 軽くあしらわれたりする所が 滑稽で幼く感じたのだが、 チャールズの一々の反応が まるで私のようで 私は改めて自分の事を 客観的に見る事が出来た。 どうして人の言う事を 何でも真に受けてしまうのか未だに解らないのだけれど チャールズを見ていると 他の人がいじりたくなる理由が解った気がした。 私は娘と息子にいじられるばっかりなのだが 何でもストレートに反応するから からかうのが面白いんだろうなぁ。 脇道にそれてしまったが、 マロリーも警察署長もカルト教団の人達も 町の人達もみんなの行動の理由が怪しくて 謎だらけだった。 それが後半で ようやく理由が少しずつ解って来ると 色んな事情が絡まりあっている設定に とても感心してしまった。 少し前に読んだ「クリスマスに少女は還る」と つい比較してしまうのだが、 このマロリーが強烈な主人公であるためか エキセントリックで濃い内容であったという読後感。 そしてこの町の人達が 今もしっかり生きているように感じる 表現力と設定の凄さ。 キャロル・オコンネルは凄い人だと思う。 でもマロリーシリーズを 一作目から読むかどうか迷っている。 濃かったんだーー。 強烈だったんだーーー。 こんな強烈な話しを続け様に読むのには 私の器が小さいんだと思う。 しばらく経ったら すごく読みたくなるかもしれないけどね。 強烈な一冊を求めている人にお勧めです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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