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テーマ:本のある暮らし(3315)
カテゴリ:本
●読んだ本● 2011・02・16読了
「インモラル」ブライアン・フリードマン著 長野きよみ=訳 ハヤカワ書房
■あらすじ■(抜粋) 妖しい緑色の瞳、艶のある唇、豊かな胸。 その少女の肢体は淫らすぎた―― 町じゅうの男を虜にしていた 17歳の女子高生レイチェルが忽然と姿を消した。 失踪直前、同級生の男を誘惑し、 嬉々としていた彼女がなぜそんな不可解な行動を? ダルース警察のストライドは、 レイチェルの義父が娘に色目を使っていた事実を知り、 義父を逮捕する。 やがて法廷で審理が始まるが、 そこには悪夢が・・・・・。 ・マカヴィティ賞最優秀新人賞受賞 ・アメリカ探偵作家クラブ賞受賞 ・英国推理作家協会賞受賞 ・アンソニー賞受賞 ・バリー賞の最優秀新人賞最終選考ノミネート ■感想■ 他人は自分の欲望を 満たすために存在しているかのように、 冷徹に奔放に生きていたレイチェル。 苦しみながら生きて来た レイチェルの母。 妻を亡くして哀しみから 抜け出せないでいる刑事ストライド。 小柄で優秀な相棒のマギーは ストライドに恋していたが仕事はやり手だ。 登場人物それぞれに光を当て じっくり描いてある。 ミネソタ州ダルースは アメリカ北東部にあり、 湖と運河のある港湾都市である。 とても寒い都市のようだ。 1月の平均気温が-13,3度と言う事は 最低気温がぞっとするほど寒そうだ。 私には高校時代の友人で 自分の欲求を満たすためなら 何をしてもうしろめたさを感じない女性がいて レイチェルに似ていると思った。 でも家庭の事情を知るにつけ、 彼女には彼女なりの事情があって 自己中心的に育つしか なかったのかもしれないと思うようになった。 だからレイチェルが 欲望のまにまに生きている強い理由を もう少し掘り下げて欲しかった。 頭が働かず、 読書には気力が必要なこの頃の私としては この分厚い本をとても頑張って読んだのだ。 それなのにプロローグに書いてある事が 大きなヒントになって 何があったのか先読みしてしまい、 少々楽しみが薄れた。 でも読み応えは十分だった。 途中までは先読みしてしまったけれど、 ラストは見事に騙された。 確かに沢山の賞を取るだけの 読み応えだった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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