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December 25, 2011
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●読んだ本●

「サレンダー」 ソーニャ・ハートネット
金原瑞人・田中亜希子=訳 河出書房新社


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価格:1,890円(税込、送料別)




■あらすじ(扉より抜粋)

ぼくは、死にかけている――
短い生涯を終えようとする少年、ガブリエル。

病床で思い出すのは、兄を殺めた呪わしい事件と、
悪魔のような少年、フィニガンとの邂逅。

街が連続放火されるなか、
ついに明かされる秘密とは?




■感想

「ぼくは死にかけている。美しい言葉。
 チェロの長くゆったりしたため息のようだ。
 ダーイイング。
 けれど、美しいのは響きだけ。」

詩のような始まりの文章で綴られる
死にかけている17歳の少年ガブリエルの毎日は
ベッドの中で寝返りさえ打てず、
思い出と後悔を辿るだけだ。

7歳の頃の兄の死と
10歳の頃のフィニガンとの出会い。

両親の抱える問題を
ガブリエルはそうと気付かず
一緒に背負い続けて来たのに
自分を責め続けていた。

生まれ育つ環境を選ぶ事は
誰も出来ない。

ガブリエルの深い哀しみと喪失と孤独と悔恨を
誰も癒す事は出来ない。

「サレンダー」はガブリエルが飼っていた犬の名前で
この物語の象徴ともなる存在だ。


そう言う訳で哀しい物語だから苦しくなり
途中から飛ばし飛ばしで拾い読みした。

私は人の不幸を
自分の事のように感じてしまうので
客観的に読めなくなる事がよくあるのだった。

母親の言葉行動一つ一つが
自分の子供時代を思い出させるのだった。


ソーニャ・ハートネットはオーストラリアの作家で
13歳の時に書いた小説で15歳でデビューし、
その後もヤングアダルト向けとも大人向けとも言えない
若者の容赦ない小説を出し、
沢山の賞を受賞しているそうだ。

確かに容赦ない内容だった。

児童書と言うジャンルに
分けるものではないと思う。

子どもが子どもとして生きられる世界になればいいのに。

みんなどうして子ども時代の事を忘れて
生きられるんだろうか?

大人になると子どもの時に感じたり
考えた事を捨ててしまうのは何故だろう?

大人だって子どもだったのに。


もっと元気な時にちゃんと読み返したい。







■Surrender=降伏



20111202頃ぱらっと読了













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Last updated  December 25, 2011 11:14:31 AM
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