|
テーマ:本のある暮らし(3312)
カテゴリ:本
●読んだ本●
「サリーの帰る家」 エリザベス・オハラ著 THE HIRING FAIR もりうちすみこ=訳 さ・え・ら書房
■あらすじ■ 「雇われの市?それって、奴隷と同じじゃない! 『アンクルトムの小屋』そのものだわ! そんなもの、行かない。母さん、いやよ!」 夢想家の少女が、父の急死で遠い農場にやとわれ働くことに。 読書でつちかった洞察力を駆使し現実にたちむかい、 思いやりのある一人前の娘に成長するまで。 ■感想■ これはアイルランドが独立する前の 19世紀後半の物語だ。 家事が嫌いで逃げてばかりいた13歳のサリーが 父の死をきっかけに働きに出て逞しく賢く成長していく。 電気も車も電話もない時代に 家事や家畜の世話をしたり、 ささやかな買い物をして楽しんだり 3人の子ども達の世話をする様子が 生き生きと描かれている。 甘えることの出来ない状況で 責任を持って自分を抑えて行動せざるを得ない。 そうして一人で泣きながら頑張った時、 サリーはしっかりと足が地に着いて 今までの生活がどれほど恵まれていたのか 母や妹をどれほど愛していたのか ハッキリと自覚して一気に成長した。 失ってからその大切さに気付いたり 愛している事に気付いたりするのはよくあるが 少女が子ども時代を捨てて 一人の女性になる覚悟をする様子が 切なくも頼もしい。 日常を日々を大切にするようにと 思い出させてくれる一冊だ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
December 26, 2011 02:18:35 AM
コメント(0) | コメントを書く
[本] カテゴリの最新記事
|