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テーマ:読書感想文(668)
カテゴリ:本
●読んだ本●
「地層捜査」佐々木譲著 【中古】afb_【単品】_地層捜査 (文春文庫)佐々木譲 ■あらすじ■ 15年前の平成7年、 新宿区荒木町で起きた 未解決のアパート経営の女性殺人事件を 再捜査するように命を受けた水戸部裕は、 特命捜査対策室の分室のある 第四方面本部に出向いて、 定年退職した相談員と二人で 地層を掘り起こすように 事実を聞き回り始めた。 殺人現場には大きいビルが建ち、 アパートの住人達も今はいない荒木町だが 水戸部は古くからの住人たちと 町の歴史を掘り起こして行く。 初出 「オール讀物」 2010年10月号~2011年4月号 ■感想■ この所はセルフカウンセリング系・心理学系 ばっかり読んでいたので、 ものすごく久しぶり~~の推理小説読破。 佐々木譲の作品は 多分初めて読んだ。 コツコツ型の情報収集が とても好みだった。 水戸部は現場のある荒木町を 何度も歩き廻り、 15年前の町の空気を読み取ろうとする。 町の様子が丁寧に描いてあるので グーグルマップで荒木町を見ながら読んだ。 「地層捜査・荒木町」でネット検索すると 写真も少し出ていた。 すり鉢状の底にある池と町の様子が浮かび、 そこを昼となく夜となく 歩き廻る水戸部が見えるようだった。 当時の捜査調書を確認しながら 新しい情報を掘り起こす様子が 私にはとてもおもしろかった。 コツコツと小さな事実を積み上げて 情報を立体的にして行く水戸部と 相談員の加納とのすり合わせの様子や 独立した裏取りが面白かった。 戦前の荒木町やバブル時代の荒木町、 バブル後の荒木町の話しも出て来た。 余談だが、 いつもバブル時代の話しが出ると、 田舎にいた私には バブルは実感できずに過ごしたため 白け気味になる。 いつの事か分からないもんで。 話の途中で筋が見えてしまったけれど 水戸部の証拠探しの動きが面白くて 飽きが来なかった。 でも加納さんの行動理由が判然としないのと 結末が書いてないのがちょっともやっとした。 また佐々木譲の本読もう♪ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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