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テーマ:読書感想文(668)
カテゴリ:本
●読んだ本●
「代官山コールドケース」佐々木譲著 代官山コールドケース (文春文庫)/佐々木 譲 (著)文藝春秋【中古】 ■あらすじ■ 特命捜査対策室の水戸部裕の第2弾。 三日前の川崎市で起きた強 姦殺人事件の 現場にあった遺留品と同じDNAが、 17年前に起きた「代官山女店員殺害事件」での 遺留品にあった事が内々で発覚し、 被疑者死亡で法的に処置してしまった警視庁の 冤罪事件に発展しそうな状況が起きた。 神奈川県警より先に犯人逮捕の命を受けた水戸部は、 一課の女性巡査部長の朝香千津子と共に 秘密裏に犯人捜査に繰り出す。 ■感想(少々ネタバレ注意)■ 非常に密度の濃い時間の流れで、 一つ一つの事実と証言を再確認、 新しい証言や視点からの角度を照らして 事件を捜査して行く水戸部と朝香は非常に有能だ。 緻密な思考、柔軟性、機転の速さや行動力、 どれをとっても無駄が無く、 しかも深慮に満ちた眼差しだった。 17年経ったから導き出せた証言や 見逃された小さい矛盾を積み重ねて、 少しずつ状況を明確にして行く。 霧に包まれていた感があった状況が 少しずつ晴れて来る様は とても気持ちが良くて爽快だった。 証明問題のように明確でワクワクした。 部屋から3人の遺留物が見つかった事から 発展家と見られていた被害者の中牧みちるが、 夢を持って東京のファッション系の専門学に通い 退学後も健気に生きていた様子が徐々に見えて来て、 頑張る若い女性への暖かい眼差しが救いだった。 人の生きる様を大切に見つめる眼差しが良かった。 先入観なく緻密な事実の積み重ねで 穴を埋めて行く推理モノはとても好きで、 ぜひ第3弾も読みたい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
September 21, 2016 03:32:18 PM
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