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March 7, 2017
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テーマ:読書メモ(89)
カテゴリ:
―――「目くらましの道」上 の続き――――

「目くらましの道」下 ヘニング・マンケル著 
柳沢由実子=訳 創元推理文庫

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【中古】 目くらましの道(下) 創元推理文庫/ヘニングマンケル【著】,柳沢由実子【訳】 【中古】afb?

■あらすじ

斧で殺害し、頭皮の一部を剥ぐ凄惨な殺人。
犯人は次々と犠牲者を増やしていった。

元法務大臣、画商、そして盗品の売人。
殺害方法は次第にエスカレートし、
三人目は生きているうちに目を塩酸で焼かれていた。

犠牲者に共通するものは?
なぜ三人目は目を潰されたのか?

常軌を逸した連続殺人に、
ヴァランダーらの捜査は難航する。

現代社会の病巣を鋭くえぐる傑作シリーズ第五弾。
CWAゴールドダガー受賞。


■感想

若者が自分に火をつけて自殺する、
この世界はいったいどうなってしまったのかと
ヴァランダーは苦悩する。

暴力の犠牲になる人々を思い
ヴァランダーはなぐさめのない問いに苦悩する。

立て続けに起きる事件にもみくちゃの中、
あらゆる物証・ヒント・印象を整理しようと
ヴァランダーは時々一人で立ち止まって考え込む。

フーグルンドに話しをしてまとめる。
他の刑事達の話を聞く。

実に誠実で堅実で賢い仕事振りで、
私生活のダメっぷりとのギャップがリアルである。

益々ヴァランダーが好きだと思った。


それにしても犯罪とは、
社会の傷からもれた膿のようだ。

今回は、犯人に同情してしまい、
何とも複雑な思いだった。

本当にヘニング・マンケルは
大切な気持ちを文章にするのが上手で、
素晴らしい書き手だと思った。


久々に推理小説を堪能した。
ようやく更年期障害と大震災を
乗り越えつつあるのかもしれない。





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Last updated  March 8, 2017 09:38:49 PM
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