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テーマ:読書メモ(89)
カテゴリ:本
―――「目くらましの道」上 の続き――――
「目くらましの道」下 ヘニング・マンケル著 柳沢由実子=訳 創元推理文庫 ? 【中古】 目くらましの道(下) 創元推理文庫/ヘニングマンケル【著】,柳沢由実子【訳】 【中古】afb? ■あらすじ 斧で殺害し、頭皮の一部を剥ぐ凄惨な殺人。 犯人は次々と犠牲者を増やしていった。 元法務大臣、画商、そして盗品の売人。 殺害方法は次第にエスカレートし、 三人目は生きているうちに目を塩酸で焼かれていた。 犠牲者に共通するものは? なぜ三人目は目を潰されたのか? 常軌を逸した連続殺人に、 ヴァランダーらの捜査は難航する。 現代社会の病巣を鋭くえぐる傑作シリーズ第五弾。 CWAゴールドダガー受賞。 ■感想 若者が自分に火をつけて自殺する、 この世界はいったいどうなってしまったのかと ヴァランダーは苦悩する。 暴力の犠牲になる人々を思い ヴァランダーはなぐさめのない問いに苦悩する。 立て続けに起きる事件にもみくちゃの中、 あらゆる物証・ヒント・印象を整理しようと ヴァランダーは時々一人で立ち止まって考え込む。 フーグルンドに話しをしてまとめる。 他の刑事達の話を聞く。 実に誠実で堅実で賢い仕事振りで、 私生活のダメっぷりとのギャップがリアルである。 益々ヴァランダーが好きだと思った。 それにしても犯罪とは、 社会の傷からもれた膿のようだ。 今回は、犯人に同情してしまい、 何とも複雑な思いだった。 本当にヘニング・マンケルは 大切な気持ちを文章にするのが上手で、 素晴らしい書き手だと思った。 久々に推理小説を堪能した。 ようやく更年期障害と大震災を 乗り越えつつあるのかもしれない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
March 8, 2017 09:38:49 PM
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