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テーマ:読書メモ(89)
カテゴリ:本
「ブラッド・ブラザー」ジャック・カーリイ著
三角和代=訳 文春文庫 ブラッド・ブラザ- /文藝春秋/ジャック・カ-リイ/ジャック・カ−リイ、三角和代/文春文庫【中古】afb ■あらすじ きわめて知的で魅力的な青年ジェレミー。 僕の兄にして連続殺人犯。 彼が施設を脱走してニューヨークに潜伏、 殺人を犯したという。 連続する惨殺事件。 ジェレミーがひそかに進行させる犯罪計画の深の目的とは? 強烈なサスペンスに巧妙な騙しと細密な伏線を仕込んだ 天才カーリイの最高傑作。 ラスト1ページまで真相はわからない。 ■感想 カーソン・ライダーシリーズ四作目。 始まりからフルスピードの流れに乗せられて、 主人公のカーソン(アラバマ州モビール市警の刑事)と一緒に 理由も分からず飛行機に乗り、 あっちこっちに連れていかれ、 殺人現場では槍の視線にさらされ、 兄ジェレミーの兇行を食い止めようと駆けずり廻る。 まさに駆けずり廻るカーソンと 同じ経験をしたような一冊だった。 カーソン・ライダーシリーズでいつもの面々の他に、 ニューヨーク市警の個性派が沢山出て来る。 ブラッド・ハウンド犬のように哀愁を帯びたシェリー・ウォルツや ずっと噛み付いてくるアリス・フォルジャーとその部下達など 個性派ぞろいだ。 私はジャック・カーリィの人物設定が面白くて大好きだ。 分かりやすくて、頭の中で映像化しやすい。 それは訳者の三角さんが、 カーソンに「僕」という一人称をあてがった事や、 ユニークな表現を損なわない 訳文の力によるものでもあると思う。 文春文庫さん、この組み合わせをありがとう! そして、まさかの有り得ないオチに繋いでいく伏線と、 解明のみごとなこと。 小さなヒントを見逃しては、 ラストの醍醐味が薄れてしまうので丁寧に読んだ。 五作目の「イン・ザ・ブラッド」から読んでしまった私は、 ジェレミーの事は幾分か解っていたので 安心して読めた。 今はハラハラドキドキが多大なストレスになるもので(^^ゞ それでもジャック・カーリィの本は 推理好きにはたまらない逸品なので止められない。 最後の解説「すべては驚愕の真相のために―川出正樹」には 2010年6月19日に日本の本格ミステリ作家クラブ設立10周年を祝う大賞の 初受賞者としてジャック・カーリィ「デス・コレクターズ」が 選ばれたことが書いてあった。 そしてジャック・カーリィの作品からあふれ出す魅力について、 私も感じているけど 拙い文章力では表せない沢山のことばが書いてあり、 共感に次ぐ共感だった。 堪能しました♪ 2018年4月13日頃読了 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
July 11, 2022 12:19:21 PM
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