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September 19, 2018
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テーマ:読書メモ(89)
カテゴリ:
「ブラッド・ブラザー」ジャック・カーリイ著 
三角和代=訳 文春文庫


ブラッド・ブラザ- /文藝春秋/ジャック・カ-リイ/ジャック・カ−リイ、三角和代/文春文庫【中古】afb

■あらすじ
きわめて知的で魅力的な青年ジェレミー。
僕の兄にして連続殺人犯。
彼が施設を脱走してニューヨークに潜伏、
殺人を犯したという。
連続する惨殺事件。
ジェレミーがひそかに進行させる犯罪計画の深の目的とは?
強烈なサスペンスに巧妙な騙しと細密な伏線を仕込んだ
天才カーリイの最高傑作。
ラスト1ページまで真相はわからない。

■感想
カーソン・ライダーシリーズ四作目。

始まりからフルスピードの流れに乗せられて、
主人公のカーソン(アラバマ州モビール市警の刑事)と一緒に
理由も分からず飛行機に乗り、
あっちこっちに連れていかれ、
殺人現場では槍の視線にさらされ、
兄ジェレミーの兇行を食い止めようと駆けずり廻る。

まさに駆けずり廻るカーソンと
同じ経験をしたような一冊だった。

カーソン・ライダーシリーズでいつもの面々の他に、
ニューヨーク市警の個性派が沢山出て来る。
ブラッド・ハウンド犬のように哀愁を帯びたシェリー・ウォルツや
ずっと噛み付いてくるアリス・フォルジャーとその部下達など
個性派ぞろいだ。

私はジャック・カーリィの人物設定が面白くて大好きだ。
分かりやすくて、頭の中で映像化しやすい。

それは訳者の三角さんが、
カーソンに「僕」という一人称をあてがった事や、
ユニークな表現を損なわない
訳文の力によるものでもあると思う。
文春文庫さん、この組み合わせをありがとう!

そして、まさかの有り得ないオチに繋いでいく伏線と、
解明のみごとなこと。
小さなヒントを見逃しては、
ラストの醍醐味が薄れてしまうので丁寧に読んだ。

五作目の「イン・ザ・ブラッド」から読んでしまった私は、
ジェレミーの事は幾分か解っていたので
安心して読めた。
今はハラハラドキドキが多大なストレスになるもので(^^ゞ

それでもジャック・カーリィの本は
推理好きにはたまらない逸品なので止められない。

最後の解説「すべては驚愕の真相のために―川出正樹」には
2010年6月19日に日本の本格ミステリ作家クラブ設立10周年を祝う大賞の
初受賞者としてジャック・カーリィ「デス・コレクターズ」が
選ばれたことが書いてあった。

そしてジャック・カーリィの作品からあふれ出す魅力について、
私も感じているけど
拙い文章力では表せない沢山のことばが書いてあり、
共感に次ぐ共感だった。

堪能しました♪



2018年4月13日頃読了





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Last updated  July 11, 2022 12:19:21 PM
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